火災保険の5年契約の相場|一括払いの保険料目安
この記事のポイント
火災保険の5年一括払いの相場は木造一戸建てで5万〜8万円、マンションで2万〜3万円が目安です。1年契約より5〜10%割安になる5年契約の保険料を構造別・物件別に専門家が解説します。
火災保険の契約を検討する際、「5年契約だと保険料はいくらかかるのか」「一括で払った方が得なのか」と気になる方は多いのではないでしょうか。現在、火災保険の最長契約期間は5年間で、5年一括払いは1年契約を毎年更新するよりも保険料総額を抑えやすい契約方法です。
火災保険の5年一括払いの相場は、木造一戸建て100㎡で5万〜8万円、RC造マンションで2万〜3万円が目安で、1年契約を5回更新するより5〜10%程度安くなります。ただし近年は建築費用の高騰や自然災害の増加を背景に保険料の値上げが続いており、5年前の更新時と比べて大幅に保険料が上がるケースも珍しくありません。この記事では、5年契約の保険料相場を構造別・物件別に整理し、1年契約との比較やメリット・デメリット、保険料を安くするための具体的な方法を専門家への取材をもとに解説します。

なぜ火災保険の最長契約期間は5年になったのか
火災保険の5年契約の相場を見る前に、まずは最長契約期間が5年になった背景を確認しましょう。この経緯を理解することで、5年契約の位置づけや保険料の考え方がわかります。
契約期間の変遷
火災保険の最長契約期間は、以下のように段階的に短縮されてきました。
| 時期 | 最長契約期間 |
|---|---|
| 2015年9月まで | 36年(住宅ローンの期間と同じ) |
| 2015年10月〜2022年9月 | 10年 |
| 2022年10月以降 | 5年 |
以前は住宅ローンの返済期間に合わせて最長36年の長期契約ができたため、一度加入すればローン完済まで保険の更新を気にする必要がありませんでした。しかし自然災害の増加により保険料率の見直しが頻繁に行われるようになり、長期間の保険料を固定することが保険会社にとって経営上のリスクとなったのです。
火災保険の契約期間について詳しく知りたい方は、1年と5年の比較記事も参考にしてください。
5年の間に料率改定が3回行われることも
損害保険料率算出機構は、各保険会社から集められたデータをもとに参考純率(保険料率のベースとなる率)を算出しています。近年はおよそ2年に1回のペースで料率改定が行われており、5年契約の期間中に3回もの改定が入ることもあります。

料率改定が頻繁に行われると、今の5年契約にはどのような影響がありますか?
自然災害などによる保険金支払いの増加とリスク環境を踏まえた対応が、保険料率改定の背景にあります。
火災保険の値上げの推移については別記事で詳しく解説しています。
5年契約の火災保険料相場
ここからは、5年契約の火災保険料相場を具体的に見ていきます。建物の構造や物件タイプによって保険料は大きく異なるため、それぞれの目安を確認しましょう。
なお以下の相場はあくまで一般的な目安です。保険会社によって保険料率は異なるため、実際に加入する際は複数の保険会社から見積もりを取得して比較することが大切です。
構造別の5年間保険料目安
以下は建物保険金額 2,000万円、家財保険金額 500万円、火災・風災・雹災・雪災を含む基本補償、地震保険なしの場合の目安です。
| 構造 | 5年一括払いの目安 |
|---|---|
| 木造一戸建て(H構造) | 5万〜8万円 |
| 鉄骨造一戸建て(T構造) | 3万〜5万円 |
| RC造マンション(M構造) | 2万〜3万円 |
H構造(木造)は燃えやすいため保険料率が最も高く、M構造(RC造マンション)は耐火性が高いため最も安くなります。同じ100㎡程度の物件でも、構造の違いだけで5年間で3万〜5万円の差がつくことがあります。
物件タイプ別の5年契約相場
構造だけでなく、物件の種類や用途によっても保険料は変わります。ここでは主要な物件タイプごとの5年間保険料相場を整理します。
新築一戸建ての5年間保険料
新築一戸建てでは、建物保険金額 2,000万円、家財 500万円、基本補償(火災・風災・雹災・雪災)の場合が以下の目安です。
| 構造 | 5年一括払い | 年間換算 |
|---|---|---|
| 木造(H構造) | 5万〜8万円 | 1万〜1.6万円 |
| 鉄骨造(T構造) | 3万〜5万円 | 6千〜1万円 |
水災補償を追加すると保険料は1.3〜1.5倍程度になり、地震保険を付帯するとさらに火災保険料と同額程度の追加費用がかかります。新築一戸建ての火災保険の相場については詳しい記事がありますので、あわせてご覧ください。
中古一戸建ての5年間保険料
中古住宅は築年数が古くなるほど保険料が上がります。
| 築年数 | 木造(H構造)5年一括の目安 |
|---|---|
| 築10年以内 | 5万〜8万円 |
| 築10〜20年 | 6万〜10万円 |
| 築20〜30年 | 8万〜13万円 |
| 築30年以上 | 10万〜18万円 |
築年数が古い物件ほど保険料が高くなる理由は、建物の経年劣化により損害リスクが高まるためです。また、築50年以上の物件では保険会社によっては5年契約を引き受けず、1年契約のみとなるケースもあります。
築30年の火災保険の相場や築50年の火災保険の相場については別記事でさらに詳しく解説しています。

築古物件だと5年契約ができないことがあるのですか?
マンション(区分所有)の5年間保険料
分譲マンションはRC造(M構造)が多いため、一戸建てと比べて保険料は安くなります。
| 補償内容 | 5年一括払いの目安 |
|---|---|
| 基本補償のみ | 2万〜3万円 |
| 水漏れ・破損汚損追加 | 3万〜5万円 |
| 地震保険付帯 | 5万〜8万円 |
マンションの場合、共用部分は管理組合の保険でカバーされるため、個人で加入するのは専有部分と家財の保険です。水漏れ事故は上下階のトラブルにつながるため、個人賠償責任特約の付帯が推奨されます。
マンションの火災保険の相場についてはさらに詳しくまとめています。
賃貸物件の5年間保険料
賃貸物件の場合は建物所有者ではないため、家財保険と借家人賠償責任保険が中心になります。
| 世帯構成 | 5年一括払いの目安 |
|---|---|
| 単身世帯 | 1.5万〜3万円 |
| 2人世帯 | 2万〜4万円 |
| ファミリー世帯 | 3万〜5万円 |
賃貸の火災保険は不動産会社から指定されるケースが多いですが、自分で選ぶこともできます。自分で選ぶことで保険料を抑えられる場合があります。賃貸の火災保険の相場については別記事をご覧ください。

5年一括払いと1年契約の保険料比較
火災保険の5年一括払いと1年契約の毎年更新では、支払い総額にどのくらい差が出るのでしょうか。具体的な数字で比較してみましょう。
支払い総額の比較
木造一戸建て(H構造)、建物 2,000万円、家財 500万円、基本補償の場合で比較します。
| 契約方法 | 5年間の総額 | 差額 |
|---|---|---|
| 5年一括払い | 約6万円 | 基準 |
| 1年契約を5回更新 | 約6.6万円 | +約6千円 |
5年一括払いは1年契約を5回更新するより総額で5〜10%程度安くなる傾向があります(割引率は保険会社・プランにより異なります)。この差は保険料が高い物件ほど大きくなり、補償内容が充実した契約では5年間で1万円以上の差がつくこともあります。
1年契約のメリットもある
保険料の総額だけで見ると5年一括払いが有利ですが、1年契約にもメリットがあります。
- 毎年の保険料支出を意識できるため、補償内容の見直し機会が増える
- 初期費用を抑えられる
- ライフスタイルの変化に合わせて柔軟に補償内容を変更できる
- 引っ越しの予定がある場合は1年契約のほうが適している
かつての10年契約との比較
2022年9月まで可能だった10年契約と比べると、現在の5年契約は割引率が小さくなっています。
| 契約方法 | 長期割引の目安 |
|---|---|
| 1年契約 | 割引なし(基準価格) |
| 5年一括払い | 5〜10%程度の割引 |
| 旧10年一括払い | 10〜15%程度の割引 |
10年契約の廃止により長期割引のメリットは縮小しましたが、5年一括払いでも一定の割引効果はあります。10年契約の火災保険の相場については別記事で詳しく解説しています。
5年契約のメリットとデメリット
5年契約を選ぶべきかどうか判断するために、メリットとデメリットを整理します。
5年契約の4つのメリット
5年契約を選ぶメリットは以下の4つです。
- 長期割引で1年契約より5〜10%程度安くなる
- 契約期間中は保険料が固定される(料率改定の影響を受けない)
- 更新手続きの手間が5年に1回で済む
- 保険料の値上げが見込まれる時期に加入すれば、値上げ前の料率で5年間固定できる
特に現在のように保険料率の値上げが続いている時期には、早めに5年契約を結んでおくことで、結果的に保険料を抑えられる可能性があります。
5年契約の3つのデメリット
一方で、5年契約にはデメリットもあります。
- 一括払いの場合、初期費用が大きい
- 契約期間中に補償内容を変更しにくい(途中解約すると解約返戻金の計算で多少不利になる場合がある)
- ライフスタイルの変化(転居、建て替えなど)への対応が遅れる
ただし、5年契約を途中解約した場合でも、残り期間に応じた解約返戻金は返金されます。解約返戻金の金額は保険会社の短期料率表に基づいて計算されます。
5年契約の火災保険料を安くする方法
5年契約でも補償内容や契約方法を工夫することで、保険料をさらに抑えることができます。具体的な方法を5つ紹介します。
方法1: 補償内容を必要なものだけに絞る
保険料を抑える最も効果的な方法は、不要な補償を外すことです。
- 水災補償: ハザードマップで浸水リスクが低い地域にお住まいであれば、水災補償を外すことで保険料を大きく削減できます。水災補償の有無で保険料が1.3〜1.5倍変わることもあります
- 破損汚損補償: 子どもが小さい場合は有用ですが、そうでなければ外しても問題ないケースが多いです
- 個人賠償責任特約: 自動車保険やクレジットカードに付帯されている場合は重複加入を避けましょう
火災保険のいらない補償の見極め方については別記事で詳しく解説しています。
方法2: 免責金額を設定する
免責金額(自己負担額)を設定することで、保険料を抑えられます。免責金額を1万円や5万円に設定すると、その金額以下の損害は自己負担になりますが、保険料は数千円〜1万円程度安くなります。
小さな損害は自己負担し、大きな損害だけ保険でカバーするという考え方で、保険の本来の目的に沿った合理的な方法です。
方法3: 複数の保険会社で見積もりを比較する
同じ補償内容でも保険会社によって保険料は異なります。3〜4社以上で見積もりを取って比較することで、条件に合った保険会社を見つけやすくなります。
火災保険の見積もりの取り方については別記事でステップごとに解説しています。
方法4: 保険金額を適正に設定する
保険金額は建物の再調達価額(同等の建物を新たに建築するのに必要な費用)を基準に設定します。過大に設定すると保険料が無駄に高くなり、過小に設定すると万が一の際に十分な保険金が受け取れません。

最近は建築費が上がっていると聞きますが、保険金額にも影響しますか?
火災保険の保険金額の決め方については別記事で詳しく解説しています。
方法5: 料率改定前に契約する
火災保険料の値上げが予定されている場合、改定前に5年契約を結ぶことで、改定前の料率で5年間の保険料を固定できます。
ただし値上げのタイミングを正確に把握するのは難しいため、「今の保険が満期を迎えるタイミングで最長の5年契約を選ぶ」という方針が現実的です。
5年契約の更新時に注意すべきこと
5年契約の満期を迎えた際の更新では、いくつか注意すべきポイントがあります。特に以前の長期契約(10年以上)から5年契約への切り替えでは、保険料が大幅に変わることがあります。
更新時に保険料が上がる3つの理由
更新時に保険料が上がる主な理由は以下の3つです。
- 料率改定: 5年間に複数回の料率改定が行われ、更新時の料率が適用される
- 建築費の高騰: 再調達価額が上がり、保険金額が増える
- 築年数の経過: 建物が5年分古くなり、リスクが高まったと評価される
更新前にやるべき3つのこと
満期の3〜6ヶ月前から以下の準備を始めましょう。
- 現在の補償内容を棚卸しする(不要な補償がないか確認)
- ハザードマップで水災リスクを再確認する(水災補償の要否を見直す)
- 複数の保険会社から見積もりを取る(以前の保険会社が最安とは限らない)
保険会社の乗り換えも選択肢
5年前と現在では保険会社間の料率差が変わっていることがあります。以前はA社が最安だったのに、現在はB社のほうが安いということも珍しくありません。
保険会社の乗り換えに手続き上のデメリットは特にないため、更新時は他社も含めた比較検討がおすすめです。火災保険の選び方については別記事で選定基準を詳しく解説しています。
火災保険の値上げへの対処
火災保険の値上げは今後も続く可能性が高いとされています。自然災害の増加傾向が続く限り、保険料率の改定は避けられません。
ただし、すべての地域や物件で同じように上がるわけではありません。地域ごとの災害リスクに応じた料率になっているため、災害リスクの低い地域では上昇幅が緩やかなケースもあります。火災保険の値上げ対策については別記事で具体的な方法をまとめています。
地震保険を付帯した場合の5年間相場
火災保険の5年契約に地震保険を付帯した場合の保険料も確認しておきましょう。地震保険は火災保険とセットでしか加入できません。
地震保険付帯時の5年間保険料目安
地震保険を付帯すると、火災保険料と同額かそれ以上の追加費用がかかります。
| 構造 | 火災保険のみ(5年) | 地震保険付帯(5年) |
|---|---|---|
| 木造一戸建て | 5万〜8万円 | 12万〜20万円 |
| RC造マンション | 2万〜3万円 | 5万〜8万円 |
地震保険の保険金額は火災保険の30%〜50%の範囲でしか設定できず、建物 5,000万円、家財 1,000万円が限度額です。
地震保険の仕組みや必要性については火災保険と地震保険の違いの記事で詳しく解説しています。
火災保険の5年契約に関するよくある疑問
ここまでの内容を踏まえて、火災保険の5年契約についてよくある疑問にお答えします。
5年契約の途中で解約できるか
5年契約の途中で解約することは可能です。一括払いの場合、残りの保険期間に応じた解約返戻金が返金されます。たとえば3年目に解約した場合、残り2年分に相当する金額(保険会社の短期料率表に基づいて計算)が戻ってきます。
ただし単純に日割り計算されるわけではないため、支払った保険料の全額が戻るわけではありません。引っ越しや建て替えの予定がある方は、1年契約のほうが適している場合もあります。
5年契約の途中で補償内容を変更できるか
多くの保険会社では、5年契約の途中でも補償内容の変更(特約の追加・削除など)が可能です。ただし変更の手続きが必要で、変更内容によっては追加保険料の支払いや返戻金の精算が発生します。
大幅な変更が必要な場合は、現在の契約を解約して新規に加入し直したほうがよいケースもあります。火災保険の見直しのタイミングと方法については別記事を参考にしてください。
住宅ローンを組む際の火災保険はどうすべきか
住宅ローンを組む際は火災保険への加入が必須です。銀行や不動産会社から保険を勧められることが多いですが、自分で保険会社を選ぶこともできます。
火災保険と住宅ローンの関係については別記事で詳しく解説しています。
この記事のまとめ
- 火災保険の最長契約期間は2022年10月から5年間に短縮された
- 5年一括払いの相場は木造一戸建て100㎡で5万〜8万円、RC造マンションで2万〜3万円が目安(地震保険なし)
- 5年一括払いは1年契約を5回更新するより総額で5〜10%程度安くなる傾向がある(保険会社・プランにより割引率は異なります)
- 5年契約の期間中は保険料が固定されるため、値上げが続く現在は早めの加入が有利
- 補償内容の見直し、免責金額の設定、複数社比較が保険料を抑える3つの基本
- 更新時は保険料が大幅に上がることがあるため、必ず複数社で見積もりを比較する
よくある質問
火災保険の5年契約の相場はいくらですか?
木造一戸建て(H構造)100㎡で5年間5万〜8万円、鉄骨造(T構造)で3万〜5万円、RC造マンション(M構造)で2万〜3万円が目安です。地震保険なし・基本補償の場合の金額で、補償内容や地域によって異なります。
火災保険の5年一括払いと1年契約ではどちらが安いですか?
5年一括払いのほうが、1年契約を5回更新するより総額で5〜10%程度安くなります。長期契約には割引が適用されるため、まとまった資金がある場合は5年一括払いがおすすめです。
火災保険の最長契約期間が5年になったのはいつからですか?
2022年10月からです。それ以前は最長10年、さらに2015年9月以前は最長36年の契約が可能でした。自然災害の増加により段階的に短縮されています。
5年契約の途中で保険料が上がることはありますか?
5年契約の期間中は契約時の保険料が固定されるため、途中で値上がりすることはありません。ただし5年後の更新時には、その時点の料率が適用されるため保険料が変わる可能性があります。
火災保険の5年契約の保険料を安くする方法はありますか?
補償内容の見直し(不要な補償を外す)、免責金額の設定、複数の保険会社での見積もり比較が効果的です。特に水災補償の要否をハザードマップで確認することで大きく保険料を抑えられる場合があります。
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