火災保険の値上げはなぜ?推移と今後の見通し、保険料を抑える方法
この記事のポイント
火災保険料の値上げが続いています。値上げの理由、過去の保険料率改定の推移、築古物件で3倍になるケース、保険料を抑える5つの方法を専門家が解説します。
火災保険の更新時に見積もりを見て「こんなに高くなっているの?」と驚く方が増えています。実際、火災保険料は過去数年にわたって断続的に値上げが行われており、特に築古物件では保険料が数倍になるケースも珍しくありません。
結論として、火災保険の値上げは自然災害の増加が主な原因で、特に築古物件では5年前と比べて2〜3倍になるケースがあり、補償内容の見直しと複数社比較で対策できます。この記事では、値上げの背景、保険料率改定の推移、築古物件の実態、保険料を抑える具体的な方法を専門家への取材をもとに解説します。

火災保険が値上げされる理由
火災保険料が上がり続ける背景には、保険業界を取り巻く環境の変化があります。
自然災害の増加
近年、台風、豪雨、水害などの自然災害が全国的に増加しています。保険会社の保険金支払い額は年々拡大しており、保険料率の引き上げが行われる傾向にあります。
保険料率改定の推移
火災保険の参考純率(保険料の基準となる料率)は、損害保険料率算出機構が算出しています。近年は以下のように改定が続いています。
| 時期 | 改定内容 |
|---|---|
| 2019年10月 | 参考純率の全国平均で約4.9%の引き上げ |
| 2021年1月 | 参考純率の全国平均で約6.9%の引き上げ |
| 2022年10月 | 参考純率の全国平均で約10.9%の引き上げ、最長契約期間を10年から5年に短縮 |
| 2024年10月 | 参考純率の全国平均で約13.0%の引き上げ、水災料率の5区分細分化を導入 |
(出典:損害保険料率算出機構の火災保険参考純率改定に基づく。各保険会社の実際の保険料改定率は異なります。値上げ率は地域・建物構造により差があります)

最長契約期間が10年から5年に短縮されたのも値上げと関係がありますか?
契約期間については火災保険の契約期間で詳しく解説しています。
水災リスクの地域別料率導入
2024年10月の改定から、従来は全国一律だった水災の保険料率が5区分に細分化され、地域ごとのリスクに応じた料率へ変更されています。
築古物件で保険料が高騰する理由
築年数の古い物件は、新築物件と比べて保険料が大幅に高くなります。
築年数と保険料の関係
築50年以上の物件の厳しい条件

築古物件でも火災保険に加入できますか?
築古物件の保険料については築30年以上の火災保険の相場で詳しく解説しています。

保険料を抑える5つの方法
値上げが続く中でも、保険料を抑える方法はあります。
方法1: 水災補償の要否を見直す
水災補償は保険料に大きく影響する補償項目です。ハザードマップで自宅の浸水リスクを確認し、リスクが低ければ外すことで保険料を抑えられる場合があります。ただし、補償を外すことによるリスクも十分にご検討ください。
国土交通省のハザードマップポータルサイトで確認できます。水災補償の要否については火災保険の水災補償はいらない?をご参照ください。
方法2: 免責金額を設定する
免責金額(自己負担額)を設定すると保険料が下がります。
方法3: 長期契約で保険料を固定する
5年契約の一括払いにすれば、原則として契約期間中は保険料が変わりません。
方法4: 複数社で見積もりを比較する
方法5: 補償内容を必要最小限にする
本当に必要な補償だけに絞ることで保険料を抑えられます。
- 火災、落雷、破裂・爆発: 基本補償として含まれる
- 風災・雹災・雪災: 多くの方が付帯
- 水災: ハザードマップで判断
- 盗難: 生活環境で判断
- 破損・汚損: 家族構成で判断
- 水濡れ: マンションではほぼ必須、戸建ては検討
不要な補償の見極め方は火災保険のいらない補償で詳しく解説しています。
値上げに備えてやるべきこと
今後も保険料の値上げが予想される中で、事前にできる準備を整理します。
- 現在の保険内容を確認し、過剰な補償がないか見直す
- 更新時期の前に複数社から見積もりを取る
- 料率改定の情報をチェックし、改定前に長期契約を検討する
- 配管メンテナンスなど建物の管理状況を保険会社に報告する
- ハザードマップの更新情報を定期的に確認する
火災保険の見直しについては火災保険の見直しガイドで詳しく解説しています。
この記事のまとめ
- 火災保険の値上げは自然災害の増加による保険金支払いの増大が主な原因
- 保険料率の改定は2019年以降断続的に行われ、参考純率は全国平均で毎回5〜13%程度の引き上げ(出典:損害保険料率算出機構。各社の実際の保険料改定率は異なります)
- 築古物件では5年前と比べて保険料が2〜3倍になるケースもある(※数値は一般的な目安です。条件により異なります)
- 2022年10月から最長契約期間が5年に短縮され、料率改定の影響を受けやすくなった
- 水災補償の見直し、免責金額の設定、長期契約、複数社比較で保険料を抑えられる
- 今後も改定が行われる可能性があるため、更新前の早めの見直しが重要
よくある質問
火災保険はなぜ値上げが続いているのですか?
自然災害の増加により保険会社の保険金支払いが増加しているためです。台風、豪雨、水害の被害が年々拡大しており、保険料率の改定が頻繁に行われています。
火災保険料は5年前と比べてどのくらい上がっていますか?
物件の条件によりますが、築古物件では5年前と比べて保険料が2〜3倍になっているケースもあります。特に水災リスクの高いエリアや築年数の古い物件での値上げ幅が大きくなっています。
火災保険料の値上げに対してできる対策はありますか?
水災補償の要否をハザードマップで確認する、免責金額を設定する、長期契約で料率改定前の価格を確保する、複数社で見積もりを比較するなどの方法で保険料を抑えることができます。
今後も火災保険料は上がり続けますか?
自然災害の増加傾向が続く限り、保険料率の改定は今後も行われる可能性があります。特に水災リスクの高いエリアでは地域別料率の導入により、保険料が変動する可能性があります。
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