賃貸の火災保険の相場はいくら?補償内容と保険料の目安
この記事のポイント
賃貸住宅の火災保険料の相場は2年間で1万5千円〜3万円が一般的です。借家人賠償責任や家財保険の適正額、保険料を抑えるコツを専門家が解説します。
賃貸住宅に入居する際、火災保険への加入を求められるのが一般的です。しかし「毎月の固定費を抑えたい」「不動産会社に勧められるまま契約して本当に大丈夫なのか」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
結論から言えば、賃貸の火災保険料は2年間で1万5千円〜3万円が一般的な相場です。ただし、補償内容や特約の有無で大きく変わるため、適正な保険料と補償のバランスを理解しておくことが大切です。この記事では、賃貸の火災保険の相場と内訳、保険料を賢く抑える方法を専門家への取材をもとに詳しく解説します。

賃貸の火災保険料の相場
賃貸住宅の火災保険は、一般的に2年契約で加入するケースがほとんどです。保険料の相場は物件のタイプや補償内容によって異なりますが、大まかな目安は以下のとおりです。
| 物件タイプ | 2年間の保険料目安 |
|---|---|
| ワンルーム〜1K(単身) | 1万〜2万円 |
| 1LDK〜2LDK(二人暮らし) | 1万5千〜2万5千円 |
| 3LDK〜(ファミリー) | 2万〜3万円 |
(※保険会社・契約条件により異なります)
ただし、これはあくまで標準的な保険料です。地震保険を付帯した場合や、家財の補償額を高く設定した場合は、保険料が大きく上がる可能性があります。
保険料を左右する主な要因
賃貸の火災保険料は、いくつかの要因によって変動します。
- 家財の補償額: 高く設定するほど保険料は上がる
- 借家人賠償責任の金額: 部屋の広さに応じて設定が変わる
- 地震保険の付帯: 火災保険の保険料と同程度かそれ以上の追加費用がかかる
- 個人賠償責任特約: 日常生活の賠償事故をカバーする特約
- 建物の構造: 鉄骨造やRC造は木造より保険料が安い傾向

家財保険の補償額を高く設定しすぎると、保険料がかなり上がるのでしょうか?
賃貸の火災保険に含まれる3つの補償
賃貸の火災保険は「家財保険」「借家人賠償責任保険」「個人賠償責任保険」の3つの補償で構成されています。それぞれの役割を理解することで、自分に必要な補償を見極められます。
家財保険で自分の持ち物を守る
家財保険は、火災や水災、盗難などで自分の家具・家電・衣類などが損害を受けた場合に補償される保険です。
賃貸住宅では建物自体は大家さんの所有物なので、入居者は自分の持ち物(家財)を守るために加入します。
家財の補償額の目安は以下のとおりです。
| 世帯タイプ | 家財補償額の目安 |
|---|---|
| 単身(20代) | 100万〜300万円 |
| 二人暮らし | 300万〜500万円 |
| ファミリー(子あり) | 500万〜800万円 |
一人暮らしで高額な家具や家電を持っていなければ、100万円〜200万円程度の設定でも十分です。逆に、高価なパソコンや楽器などを所有している場合は、多めに設定しておくと安心です。
借家人賠償責任保険で大家さんへの責任をカバー
借家人賠償責任保険は、入居者の過失で物件に損害を与えた場合に、大家さんへの賠償をカバーする保険です。たとえば、火の不始末で部屋を焼いてしまった場合や、水漏れで床や壁を傷めてしまった場合に適用されます。
借家人賠償責任は、賃貸の火災保険で最も重要な補償といっても過言ではありません。多くの賃貸借契約で加入が必須条件となっているのも、この借家人賠償責任があるためです。
個人賠償責任保険で日常のトラブルに備える
個人賠償責任保険は、日常生活で他人にケガをさせたり、他人の物を壊してしまったりした場合の賠償を補償する保険です。
たとえば、以下のようなケースで役立ちます。
- 洗濯機のホースが外れて階下の部屋に水漏れを起こした
- 自転車で通行人にぶつかってケガをさせた
- 子どもが遊んでいて隣の車を傷つけた
個人賠償責任特約は1億円の補償でも年間数百円程度の追加で済むことが多く、コストパフォーマンスが高い補償です(※保険料は保険会社・契約条件により異なります)。火災保険に付帯できる場合は、検討しておきたい特約の一つです。
詳しくは火災保険の個人賠償責任保険の記事もご参照ください。

不動産会社の保険と自分で選ぶ保険の違い
賃貸契約時、不動産会社から火災保険を提案されるケースがほとんどです。しかし、提案された保険にそのまま加入する必要はなく、自分で保険を選ぶことも可能です。
不動産会社提案の保険が高くなりやすい理由
不動産会社が提案する火災保険が割高になるケースがある理由は主に以下のとおりです(※すべての不動産会社指定の保険が割高とは限りません)。
- 不動産会社が保険代理店として手数料を受け取っている
- 標準パッケージで必要以上の補償が含まれていることがある
- 保険料の比較検討が行われないまま契約するケースが多い

不動産会社から勧められた保険を断っても大丈夫なのでしょうか?
自分で選ぶと保険料はどのくらい安くなるか
自分でネット型の火災保険を選んだ場合、不動産会社提案の保険と比べて年間3,000円〜5,000円程度安くなるケースもあります(※専門家への取材に基づく一般的な傾向です)。2年間で考えると6,000円〜1万円の差額になるため、長期的には大きな節約になります。
ただし、自分で保険を選ぶ場合は以下の点に注意してください。
- 借家人賠償責任が含まれているか確認する
- 大家さんや管理会社に保険証券のコピーを提出する必要がある
- 契約更新のタイミングで切り替える
- 補償内容が賃貸借契約の条件を満たしているか確認する
地震保険を付帯するかどうかの判断
賃貸の火災保険で最も保険料に影響するのが、地震保険の付帯です。
地震保険を付帯した場合、保険料は以下のように変わります。
| 加入パターン | 2年間の保険料目安 |
|---|---|
| 火災保険のみ | 1万5千〜3万円 |
| 火災保険 + 地震保険 | 3万〜6万円 |
(※保険会社・契約条件により異なります)
地震保険が必要かどうかは、以下の観点で判断するとよいでしょう。
- 高額な家具・家電を多く所有している場合は検討の価値あり
- 家財が少ない単身者の場合は、費用対効果が合わないことが多い
- 地震による火災は通常の火災保険では補償されない点に注意
- 地震保険の保険金額は家財1,000万円が限度額で、1回の地震等による総支払限度額(12兆円)がある
一戸建て賃貸の場合の保険料
集合住宅だけでなく、一戸建ての賃貸住宅も存在します。一戸建て賃貸の場合、保険料の考え方はアパートやマンションとは少し異なります。
一戸建て賃貸で保険料が高くなる主な理由は以下のとおりです。
- 面積が広いため借家人賠償責任の金額が大きくなる
- 1階建て以上の場合、水災リスクが高くなる
- 木造の場合、耐火構造のマンションと比べて保険料率が高い
賃貸の火災保険料を安くする5つの方法
賃貸の火災保険料を賢く抑えるための具体的な方法を紹介します。
1. 家財の補償額を適正にする
自分が実際に持っている家財の金額に見合った補償額に設定します。一人暮らしで特に高額な持ち物がなければ、100万円程度の最低限でも問題ありません。
2. 不要な特約を外す
不動産会社提案のパッケージ保険には、必要のない特約が含まれていることがあります。自分にとって不要な補償がないかチェックしましょう。
3. ネット型保険を検討する
店舗型の保険に比べて、ネット型(ダイレクト型)の火災保険は人件費が抑えられている分、保険料が安い傾向にあります。
4. 地震保険の要否を見極める
家財が少ない単身者の場合、地震保険を外すだけで保険料が半額近くになることもあります。
5. 年払いではなく一括払いを選ぶ
2年分の保険料を一括で支払う場合、月払いや年払いと比べて割引が適用されることがあります。
賃貸の火災保険で気をつけたい落とし穴
賃貸の火災保険を選ぶ際に見落としがちなポイントがあります。
水災補償は本当に必要か
水災補償は保険料に大きく影響する補償の一つです。
ハザードマップで自宅の水害リスクを確認し、判断の参考にするとよいでしょう。水災補償の必要性について、さらに詳しくは火災保険の水災補償は本当にいらないのかの記事もご覧ください。
失火法を知らないと損をする
日本には「失火法」という法律があり、隣家の火事で自宅の家財が燃えてしまっても、重大な過失がない限り相手に損害賠償を請求できないケースがほとんどです。そのため、自分の家財は自分で守る必要があります。
失火法の詳細については火災保険と失火法の関係の記事で詳しく解説しています。
保険期間の確認を忘れない
賃貸の火災保険は2年契約が一般的ですが、保険期間と賃貸借契約の期間が合っているか確認しましょう。契約期間にズレがあると、無保険の期間が発生する可能性があります。
また、保険の自動更新になっている場合は、更新のタイミングで補償内容を見直すことをおすすめします。
賃貸タイプ別の保険料シミュレーション
具体的なケース別に、保険料の目安をシミュレーションします。
※以下のシミュレーションの保険料はあくまで目安です。保険会社・プラン・条件により異なります。
ケース1: 都市部ワンルーム(単身・20代)
- 家財補償: 200万円
- 借家人賠償責任: 1,500万円
- 個人賠償責任: 1億円
- 地震保険: なし
- 2年間の保険料目安: 約1万2千〜1万8千円
ケース2: 1LDK(二人暮らし・30代)
- 家財補償: 400万円
- 借家人賠償責任: 2,000万円
- 個人賠償責任: 1億円
- 地震保険: なし
- 2年間の保険料目安: 約1万8千〜2万5千円
ケース3: 3LDK(ファミリー・40代)
- 家財補償: 700万円
- 借家人賠償責任: 2,500万円
- 個人賠償責任: 1億円
- 地震保険: あり
- 2年間の保険料目安: 約3万5千〜5万円
まとめの前に: 保険料だけで選ばない
保険料の安さだけを追求すると、必要な補償が不足するリスクがあります。特に賃貸の場合、借家人賠償責任の補償が不十分だと、大家さんへの賠償で大きな自己負担が発生する可能性があります。
保険料と補償内容のバランスを見極めるためにも、複数の保険商品を比較し、自分の生活状況に合ったプランを選ぶことが大切です。
この記事のまとめ
- 賃貸の火災保険料は2年間で1万5千円〜3万円が一般的な相場
- 借家人賠償責任はワンルームで1,500万円〜2,000万円が目安で、削らないこと
- 家財の補償額を適正にすることで保険料を抑えられる
- 不動産会社提案の保険は割高な場合があり、自分で選ぶことも可能
- 地震保険は保険料が高いため、家財の状況に応じて要否を判断する
- 水災補償はハザードマップで確認し、2階以上なら外すことも検討できる
- なお、地震・噴火・津波による被害は火災保険では補償されないため、別途地震保険への加入もご検討ください
よくある質問
賃貸の火災保険料の相場はどのくらいですか?
一般的なワンルーム〜1LDKの賃貸住宅で、2年間1万5千円〜3万円程度が相場です。家財の補償額や特約の有無によって変わります。地震保険を付帯すると保険料はさらに上がります。
賃貸の火災保険で借家人賠償責任はいくら必要ですか?
一般的なワンルーム〜1LDKなら1,500万円〜2,000万円程度、ファミリータイプや一戸建て賃貸なら2,000万円〜3,000万円程度が目安です。部屋の広さや構造に応じて設定します。
賃貸の火災保険は自分で選べますか?
はい、自分で選べます。不動産会社が提案する保険に加入する義務はなく、補償内容が同等以上であれば他社の保険に切り替えることが可能です。自分で選ぶことで保険料を大幅に抑えられるケースもあります。
賃貸の火災保険で家財の補償額はいくらにすべきですか?
一人暮らしなら100万円〜300万円、二人暮らしなら300万円〜500万円、ファミリーなら500万円〜800万円が目安です。実際の家財の金額に合わせて設定すると無駄がありません。
賃貸の火災保険に地震保険は必要ですか?
地震保険を付帯すると保険料が大幅に上がりますが、地震による家財の損害に備えられます。高額な家具や家電を持っている方は検討の価値がありますが、家財が少ない方は費用対効果を考えて判断しましょう。
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