火災保険の相場|一戸建て新築・中古の早見表
この記事のポイント
一戸建ての火災保険料の相場は新築木造で年間3万〜6万円、中古では築年数や構造により大きく変わります。建築価額の上昇が保険料に与える影響と保険料を抑える方法を専門家が解説します。
一戸建ての火災保険に加入する際、「うちの場合、保険料はいくらくらいが相場なのか」と気になる方は多いのではないでしょうか。新築なのか中古なのか、木造なのか鉄骨造なのかによって保険料は大きく異なり、近年は建築費用の高騰も相場に影響を与えています。
一戸建ての火災保険料の相場は、新築木造住宅で年間約3万〜6万円、鉄骨造で年間約1.5万〜3万円が目安ですが、建築価額の上昇により保険金額が引き上がっているため、数年前よりも相場は上昇傾向にあります。この記事では、新築・中古それぞれの構造別相場早見表と、保険料に影響する要素、保険料を抑える具体的な方法を、30年以上の経験を持つ保険の専門家への取材をもとに解説します。

一戸建ての火災保険料の相場
一戸建ての火災保険料は、建物の構造、所在地、築年数、補償内容、保険金額などによって大きく変わります。ここでは新築と中古に分けて、構造別の相場を早見表で紹介します。
なお、以下の相場はあくまで一般的な目安です。保険会社によって保険料率は異なるため、実際に加入する際は複数の保険会社から見積もりを取得して比較することが大切です。
新築一戸建ての火災保険料相場(5年契約・年間換算)
新築一戸建ての場合、建物構造による相場の違いは以下のとおりです。前提条件として、建物保険金額 2,000万円、家財保険金額 500万円、火災・風災・水災・盗難・破損汚損を含む基本的な補償内容で算出しています。
| 構造 | 年間保険料の目安 | 5年一括払いの目安 |
|---|---|---|
| 木造(H構造) | 約3万〜6万円 | 約15万〜30万円 |
| 鉄骨造(T構造) | 約1.5万〜3万円 | 約7.5万〜15万円 |
木造住宅は鉄骨造やRC造と比べて火災リスクが高いため、保険料率が高く設定されています。一戸建て住宅の場合、大半が木造(H構造)に該当するため、マンション(M構造)と比べると保険料は高くなる傾向があります。
中古一戸建ての火災保険料相場(5年契約・年間換算)
中古一戸建ての場合、築年数が古いほど保険料は高くなります。前提条件は新築と同じ補償内容で、木造(H構造)の場合の目安です。
| 築年数 | 年間保険料の目安 | 新築比 |
|---|---|---|
| 築10年 | 約3.5万〜7万円 | 約1.1〜1.2倍 |
| 築20年 | 約4万〜8万円 | 約1.3〜1.5倍 |
| 築30年以上 | 約5万〜12万円 | 約1.5〜2倍以上 |
築年数が古いほど経年劣化による損害リスクが高まるため、保険料も上がります。特に築30年以上の物件では保険料の上昇幅が大きくなり、保険会社によっては引き受け条件が厳しくなるケースもあります。

中古住宅でも火災保険に入れますか?築年数が古いと断られることはありますか
築50年以上の物件の保険料については別記事で詳しく解説しています。
保険料に影響する要素
一戸建ての火災保険料は、さまざまな要素の組み合わせによって決まります。ここでは、保険料に影響を与える主な要素を解説します。
構造級別(H構造とT構造の違い)
火災保険の保険料に大きく影響するのが建物の構造級別です。一戸建て住宅の場合、以下の2区分に分類されます。
- H構造(非耐火構造): 木造住宅が該当。保険料は最も高い
- T構造(耐火・準耐火構造): 鉄骨造、RC造、耐火木造などが該当。H構造より保険料が安い
一般的な在来工法の木造住宅はH構造に分類されますが、近年増えている省令準耐火構造の木造住宅はT構造として扱われ、保険料が安くなります。ハウスメーカーで新築する場合は、建物が省令準耐火構造に該当するかどうかを確認しておくとよいでしょう。
所在地(都道府県)
火災保険料は所在地によっても変わります。都道府県ごとに保険料率が設定されており、自然災害の多い地域ほど保険料が高くなる傾向にあります。特に2024年10月の改定からは、水災の保険料率が5区分に細分化され、河川沿いや低地など水災リスクの高い地域では保険料がさらに高くなるケースがあります。
築年数
先ほどの相場表でも示したとおり、築年数が古いほど保険料は高くなります。経年劣化により建物の損害リスクが上がるためです。保険会社によっては築年数に応じた料率区分を設けており、築10年以内と築20年以上では保険料に1.5倍以上の差がつくこともあります。
保険金額(建物の再調達価額)
保険金額とは、万が一のときに支払われる保険金の上限額のことです。建物の保険金額の決め方は、再調達価額(同等の建物を新たに建築するための費用)で設定するのが基本になります。
保険金額が高いほど保険料も高くなりますが、適正な保険金額で加入しないと、いざという時に十分な補償を受けられない恐れがあります。保険金額の設定については、この記事の後半でも詳しく触れます。
補償範囲
どの補償をつけるかによっても保険料は変わります。基本の火災補償に加えて、風災、水災、盗難、破損汚損などをどこまでカバーするかで保険料が変動します。
特に水災補償は保険料に大きな影響を与える項目です。水災を外せば保険料は2〜3割程度安くなる場合がありますが、近年は自然災害の増加により、専門家は水災補償の付帯をおすすめしています。なお、水災の保険金が支払われるには一般的に「床上浸水」または「地盤面から45cm以上の浸水」などの条件を満たす必要があり、保険会社によって支払い条件が異なります。
水災補償の要否については火災保険の水災補償は必要?で詳しく解説しています。

新築一戸建ての火災保険相場シミュレーション
ここでは、具体的な条件を想定して新築一戸建ての火災保険料をシミュレーションしてみます。あくまで目安としてご参考ください。
シミュレーション条件
- 所在地: 東京都(都市部)
- 建物構造: 木造(H構造)
- 延床面積: 100平米
- 建物保険金額: 2,000万円
- 家財保険金額: 500万円
- 契約期間: 5年一括払い
補償内容別の保険料目安
| 補償パターン | 年間換算の目安 |
|---|---|
| フルカバー(水災あり) | 約4万〜6万円 |
| 水災なし | 約3万〜4.5万円 |
| 最低限(火災・風災のみ) | 約2万〜3万円 |
上記はあくまで概算です。同じ条件でも保険会社によって1万円以上の差が出ることがあります。

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新築ならではのポイント
新築住宅の場合、建築価額が明確なので保険金額の設定がしやすいという利点があります。一方で、近年の建築費用の上昇により、保険金額そのものが高くなっている点には注意が必要です。
新築一戸建てで検討すべき特約としては、以下のものがあります。
- 建物付属機械設備特約: ディスポーザー、埋め込み型エアコン、ウォッシュレットなどの電気設備の故障に備える
- 水災のオプション補償: 床上浸水や地盤面45cm以上の条件を満たさなくても、エアコン室外機などの限定設備の水損害を補償する
- 個人賠償責任特約: 日常生活で他人にケガをさせたり物を壊した場合に補償
中古一戸建ての火災保険相場と注意点
中古一戸建ては新築と比べて保険料が高く、加入時にいくつかの注意点があります。
中古住宅の保険料が高くなる理由
中古住宅の保険料が高くなる主な理由は以下のとおりです。
- 経年劣化により火災・漏水などのリスクが高まる
- 古い建物ほど損害が発生しやすいというデータに基づいて料率が設定されている
- 築年数が上がるほど保険会社のリスクが高くなるため、保険料率が上がる
特に築30年以上の物件では保険料の上昇幅が大きくなります。築50年以上になると、保険会社によっては引き受け条件に制限がかかることもあります。
建築価額の上昇による影響
中古住宅の火災保険で特に注意したいのが、建築価額の上昇です。保険金額は再調達価額(今同じ建物を建てるといくらかかるか)で設定するため、建築費用が上がっている現在では、保険金額も引き上がります。
国土交通省「建設工事費デフレーター」によると、住宅の建設コストは2020年を100とした場合、2024年には約120〜130の水準に上昇しています。
つまり、同じ建物でも数年前に比べて再調達価額が2〜3割上がっているケースがあるということです。中古住宅の火災保険を検討する際は、購入価格ではなく現在の再調達価額で保険金額を設定することが重要になります。
保険金額の設定方法については火災保険の保険金額の決め方や保険金額の目安を参考にしてください。
中古住宅の火災保険で確認すべきポイント
中古一戸建ての火災保険に加入する際は、以下のポイントを確認しましょう。
- 建物の構造級別: 木造かどうか、耐火構造かどうかを確認する
- 延床面積: 建物の面積によって保険金額が変わる
- 築年数: 保険料率に影響するため正確に申告する
- リフォーム歴: 大規模リフォームをしている場合、建物の評価額に影響する場合がある
- 所在地のリスク: ハザードマップで水災・地震リスクを確認する
満期更新時の保険料上昇に備える
中古住宅では、満期更新のタイミングで保険料が大幅に上がるケースが多くあります。
満期更新が近い方は、更新前に早めに複数社の見積もりを取って比較検討することをおすすめします。火災保険の見直しのタイミングについては火災保険の見直しガイドで詳しく解説しています。
地震保険の上乗せ費用も考慮する
一戸建ての火災保険の相場を考える際は、地震保険の費用も合わせて考慮する必要があります。地震による損害は火災保険では補償されないため、地震リスクに備えるには地震保険への加入が別途必要です。
地震保険の保険料は政府と民間の共同運営のため、どの保険会社で加入しても同じ金額です。保険金額は火災保険の30%〜50%の範囲で設定します。
| 構造 | 地震保険の年間目安(東京都) |
|---|---|
| 木造(イ構造) | 約2万〜4万円 |
| 非木造(ロ構造) | 約1万〜2万円 |
地震保険を加えると、火災保険だけの場合と比べて保険料の総額が1.5倍から2倍近くになることがあります。ただし、日本は地震大国であり、地震による火災は火災保険の対象外であることを考えると、地震保険への加入は検討する価値があります。
一戸建ての火災保険料を安くする方法
建築費用の上昇や保険料率の改定が続く中でも、保険料を抑える方法はいくつかあります。ただし、保険料を下げることだけに注目するのではなく、必要な補償が確保されているかを優先することが大切です。
方法1: 補償内容を見直す
保険料を下げるうえで効果的な方法は、補償内容の見直しです。すべてのリスクにフルカバーで備えるのではなく、自分の住環境に合わせて必要な補償を選びましょう。
見直しのポイントは以下のとおりです。
- 水災補償: ハザードマップで浸水リスクが低い地域であれば外す選択肢もある(ただし専門家に相談推奨)
- 破損汚損: 子どもが小さい家庭では有用だが、大人だけの世帯では外す選択肢もある
- 盗難: セキュリティ設備が充実している場合は検討の余地がある
ただし水災補償については、近年の自然災害の多発を考えると安易に外さないほうがよいでしょう。火災保険の補償内容の選び方も参考にしてください。
方法2: 複数の保険会社で見積もりを比較する
同じ補償内容でも、保険会社によって保険料は異なります。必ず複数社で見積もりを取って比較しましょう。
銀行や不動産会社経由では1〜2社しか選択肢がないことが多いため、専門の保険代理店に相談すると比較の幅が広がります。火災保険の選び方では比較の具体的なポイントを解説しています。
方法3: 長期契約にする
火災保険の契約期間は最長5年ですが、5年契約の一括払いにすることで、1年契約を5回繰り返すよりもトータルの保険料が安くなります。
また、5年契約中は途中で保険料率が改定されても保険料は変わりません。保険料率の値上げが続いている現状では、長期契約のメリットは大きいと言えます。
方法4: 免責金額を設定する
免責金額(自己負担額)を設定すると保険料が下がります。免責金額とは、損害が発生した際に自己負担する金額のことです。
- 免責0円: 保険料は最も高いが、少額の損害でも保険金を受け取れる
- 免責1万円: 保険料が数千円安くなる。小さな損害は自己負担
- 免責5万円: さらに保険料が下がるが、自己負担額も増える
小さな損害は自己負担でもよいと考えられる方は、免責金額の設定を検討してみてください。
方法5: 各種割引制度を活用する
保険会社によっては、以下のような割引制度を設けている場合があります。
- 新築割引: 新築の建物に適用される割引
- オール電化割引: オール電化住宅に適用される割引
- ホームセキュリティ割引: セキュリティシステムを導入している住宅に適用
- ノンスモーカー割引: 喫煙者がいない世帯に適用される場合がある
- Web申込割引: インターネット経由で申し込む場合に適用
割引制度は保険会社によって異なるため、見積もりを取る際に確認しましょう。
一戸建ての火災保険の選び方と見直しのポイント
最後に、一戸建ての火災保険を選ぶ際や見直す際に押さえておきたいポイントをまとめます。
保険金額は再調達価額で設定する
保険金額は「購入価格」ではなく「再調達価額」で設定することが基本です。再調達価額とは、同等の建物を今建てるといくらかかるかという金額です。建築費用が上昇している現在では、購入時よりも再調達価額が高くなっているケースが多くあります。
保険金額が低すぎると損害時に十分な保険金を受け取れず、高すぎると超過分の保険料が無駄になります。保険金額の目安を確認して、適正な金額で設定しましょう。
建物だけでなく家財保険も検討する
一戸建ての火災保険では建物だけに加入するケースもありますが、家財にも加入することを検討しましょう。家財とは、建物の中にある家具、家電、衣類などの動産のことです。

家財保険って本当に必要ですか?建物だけでよいのではないですか
家財の補償範囲は意外と広く、敷地内に駐車してある自転車や原動機付自転車(総排気量125cc以下)の盗難も対象になるケースがあります。詳しくは火災保険の家財はいくら必要かをご参照ください。
定期的な見直しが大切
火災保険は「加入して終わり」ではなく、定期的な見直しが必要です。見直すべきタイミングは以下のとおりです。
- 満期更新のとき
- 家族構成が変わったとき(子どもの誕生、独立など)
- 建物を増築・改築したとき
- 新しい高額な家財を購入したとき
- 保険料率の改定があったとき
火災保険の見直しは、保険料の節約だけでなく、補償の過不足をチェックする重要な機会です。
この記事のまとめ
- 一戸建ての火災保険料相場は新築木造で年間約3万〜6万円、鉄骨造で約1.5万〜3万円が目安(保険会社・条件により異なります)
- 中古住宅は築年数が古いほど保険料が高くなり、築30年以上では新築の1.5〜2倍以上になるケースもある
- 保険料に大きく影響するのは構造級別で、木造(H構造)は鉄骨造(T構造)の1.5〜2倍程度
- 建築費用の上昇により再調達価額が上がっているため、保険金額と保険料は上昇傾向にある
- 保険料を抑えるには補償内容の見直しと3〜4社以上での比較検討が効果的
- 水災補償は保険料に大きく影響するが、近年の災害増加を考慮すると付帯を検討することが望ましい
よくある質問
一戸建ての火災保険料の相場はいくらですか?
新築の木造住宅(H構造)で5年契約一括払いの場合、年間換算で約3万〜6万円が目安です。ただし所在地や補償内容、保険金額によって大きく変わるため、複数社で見積もりを取ることをおすすめします。
新築と中古で火災保険料はどのくらい違いますか?
中古住宅は新築と比べて保険料が高くなる傾向にあります。築20年以上の木造住宅では新築時の1.3〜1.5倍程度、築30年以上では1.5〜2倍以上になるケースもあります。築年数が上がるほど保険料は高くなる傾向があります。
木造と鉄骨造で保険料はどのくらい差がありますか?
木造(H構造)は鉄骨造・RC造(T構造)と比べて保険料が1.5〜2倍程度高くなります。木造は火災リスクが高いため保険料率が高く設定されています。
火災保険料を安くする方法はありますか?
補償内容の見直しが最も効果的です。不要な補償を外す、免責金額を設定する、5年の長期契約で一括払いにする、3〜4社以上で見積もりを比較するなどの方法があります。
建築費用の上昇は火災保険料に影響しますか?
はい、大きく影響します。建築費用が上がると保険金額(再調達価額)も上がるため、保険料が高くなります。以前1,000万円で建てられた建物が現在は1,500万円かかるケースもあり、保険金額の見直しが必要です。
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