個人事業主が開業時に入るべき保険を徹底解説
この記事のポイント
個人事業主の開業時は事務所の火災保険・施設賠償責任保険・借家人賠償責任保険の3つが基本です。小規模事務所なら年間2〜3万円程度で加入でき、保険料は全額経費計上が可能です。優先順位と選び方を専門家が解説します。
個人事業主として開業する際、事業に必要な届出や資金の準備に意識が向きがちですが、万が一のリスクに備える保険の加入も欠かせない準備のひとつです。事務所や店舗を借りて事業を始める場合、火災や賠償事故への備えがなければ、たった一度の事故で事業の継続が困難になる可能性があります。
個人事業主が開業時に入るべき保険の基本は、事務所の火災保険(什器備品の補償)、借家人賠償責任保険、施設賠償責任保険の3つで、小規模事務所であれば年間2〜3万円程度から加入でき、保険料は全額経費として計上できます。この記事では、開業時に検討すべき保険の種類から、補償額の目安、保険料の経費計上、加入の優先順位まで、専門家への取材をもとに詳しく解説します。

個人事業主が開業時に入るべき保険の全体像
個人事業主が開業にあたって検討すべき保険は大きく分けて 4 つあります。すべてに加入する必要があるわけではなく、事業の内容や規模、リスクの大きさに応じて選ぶことが大切です。
- 火災保険(事務所・店舗の什器備品や内装を守る保険)
- 賠償責任保険(第三者や大家への賠償に備える保険)
- 休業補償保険(事故や災害で営業できなくなった場合の損失をカバーする保険)
- 所得補償保険・傷害保険(事業主自身のケガや病気に備える保険)
このうち、賃貸物件で事業を行う個人事業主にとって特に重要なのが、火災保険と賠償責任保険です。賃貸借契約の条件として加入を義務付けられているケースも多く、優先度の高い保険と言えます。

個人事業主として小さな事務所を借りて開業するのですが、会社員の時と同じ保険の感覚でいいのでしょうか?
会社員時代は会社が事業リスクに対応する保険に加入していたため意識する必要がありませんでしたが、個人事業主は自分自身で事業上のリスクに備える必要があります。とはいえ、すべての保険に最初から加入する必要はありません。事業の成長に合わせて段階的に補償を拡充していく考え方が現実的です。
火災保険(事務所・店舗向け)
個人事業主が事務所や店舗を借りて開業する場合、まず検討すべきなのが火災保険です。ここでいう火災保険とは、テナントとして入居する事業者が自分の備品や内装を守るための保険を指します。
なぜ個人事業主に火災保険が必要なのか
賃貸物件では、建物そのものの火災保険はオーナー(大家)が加入しています。しかし、オーナーの保険でカバーされるのは建物の構造体や共用部分だけで、テナントが持ち込んだ備品や施した内装工事は補償の対象外です。
つまり、火災や水濡れ、落雷などの事故で事務所内のパソコンやデスクが損害を受けた場合、オーナーの保険からは補償されません。自分の財産は自分で守る必要があるのです。
総務省消防庁の「消防白書」によれば、2023年の建物火災の出火件数は約2万件にのぼり、事務所や店舗を含む非住宅建物からの出火も一定数を占めています。事業用物件においても火災リスクは決して低くありません。
火災保険の補償対象
個人事業主がテナントとして加入する火災保険で補償の対象となるのは、主に以下の 3 つです。
- 什器備品(デスク、椅子、パソコン、モニター、プリンターなど)
- 内装造作(自費で施した内装工事の部分)
- 商品・在庫品(物販業の場合の販売用商品や原材料)
事務所であれば什器備品の保険が中心になりますが、店舗の場合は商品・在庫品も保険の対象に含めておくことが重要です。特に内装造作は見落としがちなポイントで、スケルトン状態から自費で内装工事を行った場合、その費用は数百万円に及ぶこともあります。この部分はオーナーの火災保険ではカバーされないため、テナント側で必ず保険をかけておかないと、万が一の際に復旧費用を全額自己負担することになります。
また、火災保険で補償される事故の種類は火災だけではありません。落雷、爆発、風災、水濡れ、盗難なども補償対象に含まれます(補償範囲は保険商品やプランにより異なります)。事業用の設備は日常的に使い続けるものですから、さまざまなリスクに備えておくことが大切です。
なお、地震・噴火・津波による損害は火災保険では補償されません。地震による火災も火災保険の対象外となりますので、地震リスクへの備えが必要な場合は別途ご確認ください。
住宅用の火災保険との違い
個人事業主が事務所を借りる場合に注意したいのが、住宅用の火災保険では事業用物件をカバーできないという点です。事務所や店舗は企業総合保険、事業活動総合保険、企業財産包括保険といった企業向けの火災保険で加入することになります。
「個人事業主なのだから個人用の保険でいいのでは?」と思われるかもしれませんが、保険の区分は個人か法人かではなく、物件の用途で決まります。事務所として使う物件には、規模が小さくても事業用の火災保険が必要です。
テナントとして加入する火災保険の詳しい補償内容や選び方は火災保険のテナント向けガイドで解説していますので、あわせて参考にしてください。
保険金額と保険料の目安
小規模な事務所を借りて開業する場合の火災保険の目安を見てみましょう。
| 補償内容 | 金額の目安 |
|---|---|
| 什器備品 | 200〜300万円 |
| 年間保険料 | 1〜2万円程度 |
パソコン 2〜3 台とデスク、椅子、ホワイトボードといった最低限の備品であれば、什器備品の保険金額は 200〜300 万円程度が目安となります。なお、上記の保険料は一般的な小規模事務所の例であり、実際の保険料は建物の構造、所在地、業種、補償内容、保険会社などの条件により異なります。
なお、保険金額の設定では「新価実損払い」を選ぶことをおすすめします。新価実損払いとは、損害を受けた物を同等品で新たに購入するために必要な金額が補償される方式です。

新価実損払いと時価払いの違いがよくわからないのですが、どちらを選べばよいですか?
賠償責任保険
個人事業主が開業時に火災保険とあわせて加入を検討すべきなのが賠償責任保険です。賠償責任保険には主に「借家人賠償責任保険」と「施設賠償責任保険」の 2 種類があり、どちらも事業を行ううえで重要な補償です。
借家人賠償責任保険
借家人賠償責任保険は、テナントとして借りている物件で火災などを起こしてしまい、建物に損害を与えた場合にオーナー(大家)への賠償責任をカバーする保険です。
賃貸物件には原状回復義務がありますので、テナント側の過失で火災が発生して建物を損傷させた場合、修繕費用を賠償する責任が生じます。借家人賠償責任保険はこのリスクに備えるもので、多くの賃貸借契約で加入が義務付けられています。
補償額の目安は 1,500 万円程度です。物件の規模や構造によっては、さらに高額な設定が必要になる場合もありますので、不動産会社やオーナーに確認しておくとよいでしょう。
施設賠償責任保険
施設賠償責任保険は、テナントの設備や管理の不備が原因で第三者(来店客、通行人、隣のテナントなど)に損害を与えた場合に備える保険です。
例えば以下のようなケースで補償されます。
- 事務所の水漏れで階下のテナントに損害を与えた
- 看板や設置物が落下して通行人にケガをさせた
- 店内でお客様が転倒してケガをされた
施設賠償責任保険の補償額は 1 億円程度が目安です。事故によっては人命に関わるケースもあるため、十分な補償額を設定しておくことが重要です。
施設賠償責任保険の詳しい仕組みや事例については火災保険の施設賠償責任で解説しています。
テナントとオーナーの間でトラブルが起きた場合
実際に事故が起きると、テナントとオーナーの間で交渉が必要になるケースがあります。しかし、お互いに直接交渉しにくいという事情が生じることも珍しくありません。
このような状況では、保険代理店が間に入って交渉や手続きを代行してくれることが大きな助けになります。保険料だけでなく、事故が起きた際のサポート体制も保険選びの重要なポイントです。
保険金請求の流れ
実際に事故が発生した場合、保険金の請求手続きには以下の書類や対応が必要になります。
- 被害状況の写真を複数の角度から撮影する
- 修理業者に修理見積書(明細付き)を依頼する
- 保険会社または代理店にすみやかに連絡する
- オーナーや管理会社にも報告する
復旧が急がれる場合は、保険金の支払いを待たずに修理を先に進めて問題ありません。まずは被害の拡大を防ぐことが最優先で、修理にかかった費用の請求書や領収書を保管しておけば、後から保険金を請求することができます。
賠償責任保険で知っておきたいポイント
賠償責任保険に関して、個人事業主が押さえておくべき重要なポイントがあります。
それは、保険で賠償する場合の支払いが「時価払い」になるケースがあるという点です。火災保険の什器備品の補償では新価実損払いを選べますが、賠償責任保険の支払いでは時価に基づく計算になることがあります。
保険で賠償責任っていうと、基本的には時価払いということはあまり知られてないと思いますね。ただ、保険会社によっては多少の減価償却であれば全額出してくれるケースもあります。支払い基準は保険会社によって異なりますので、契約前に確認されることをおすすめします。
このため、賠償保険の保険会社選びでは、保険料だけでなく保険金支払い時の対応基準も含めて比較検討することが大切です。

休業補償保険
個人事業主にとって、火災や自然災害で事務所や店舗が使えなくなった場合の「休業リスク」は見落としがちなポイントです。
休業補償保険とは
休業補償保険は、火災や自然災害、水漏れなどの事故で営業ができなくなった際に、休業中も発生し続ける固定費(家賃、人件費、リース料など)をカバーする保険です。
個人事業主は会社員と違い、事業が止まれば収入もゼロになります。しかし、テナントの家賃やリース契約の支払い、従業員を雇っている場合の人件費は休業中も発生し続けます。この損失を補填するのが休業補償保険の役割です。
加入すべき個人事業主のタイプ
すべての個人事業主に休業補償保険が必要というわけではありません。特に以下のような事業者は検討をおすすめします。
- 飲食店など営業停止が直接的に売上に影響する業種
- 従業員を雇用している事業者
- 毎月の固定費が大きい事業者
- 事業の代替拠点をすぐに確保しにくい事業者
一方で、自宅で一人で行っている IT フリーランスのように、物理的な拠点に依存しない業態であれば、休業補償保険の優先度は比較的低いと言えます。
なお、大手損保会社では、早期災害復旧支援サービスとして修理業者との提携を行っています。工場やプラントなど大規模な事業者向けのサービスが中心ですが、こうした復旧支援の体制があることも大手保険会社を選ぶメリットのひとつです。
個人事業主自身を守る保険
ここまで事業用の資産やリスクを守る保険を見てきましたが、個人事業主は「自分自身が働けなくなるリスク」にも備える必要があります。
所得補償保険
所得補償保険は、病気やケガで働けなくなった場合に、減少する所得を補填する保険です。会社員は傷病手当金など公的保障がありますが、個人事業主にはこうした制度がないため、自分で備えておく必要があります。
所得補償保険は損害保険会社が取り扱っており、月額の補償額と免責期間(待機期間)を設定して加入します。保険料は事業主の年齢、職業、補償額によって異なりますが、月額数千円程度から加入できるものもあります。
傷害保険
傷害保険は、事故によるケガで通院・入院・手術が必要になった場合に保険金が支払われる保険です。業務中のケガだけでなく日常生活のケガも補償されるタイプを選ぶことで、個人事業主の生活全般をカバーできます。
保険料の経費計上
個人事業主にとって嬉しいのが、事業用の保険料は経費として計上できるという点です。保険料を経費にすることで所得税・住民税の負担を軽減でき、実質的な保険のコストを抑えられます。
勘定科目は「損害保険料」
事業用の火災保険料や賠償責任保険料の勘定科目は「損害保険料」が一般的です。会計ソフトによっては「保険料」「支払保険料」という科目名になっていることもありますが、どの名称でも問題ありません。事業を始めたばかりの個人事業主にとって、勘定科目の選び方は迷いやすいポイントですが、一度決めたら毎年同じ科目を使い続けることが大切です。途中で科目を変更すると年度間の比較が難しくなり、税務調査時にも説明が必要になることがあります。
火災保険の勘定科目や仕訳処理の詳細は火災保険の勘定科目で解説しています。
1年契約と長期契約の経理処理
保険の契約期間によって経理処理が異なります。
| 契約期間 | 経理処理 |
|---|---|
| 1年以内 | 支払時に全額を損害保険料として計上 |
| 1年超 | 当期分は損害保険料、翌期以降分は長期前払費用として按分 |
個人事業主の場合は 1 年契約が多いため、支払った保険料をそのまま経費計上できるケースがほとんどです。5 年契約など長期契約を選んだ場合は期間按分が必要ですが、長期割引で総額が安くなるメリットがあります。
自宅兼事務所の場合の按分
自宅の一部を事務所として使っている個人事業主の場合、火災保険料は事業使用割合に応じた按分が必要です。
按分の基準は一般的に面積比で計算します。例えば自宅 70 平米のうち事務所として 20 平米を使用している場合、火災保険料の約 29%(20÷70)を経費に計上できます。

自宅兼事務所で個人事業主をしています。火災保険料を経費にする場合、何か気をつけることはありますか?
確定申告での火災保険料の取り扱いについては火災保険の確定申告で詳しく解説しています。
保険加入の優先順位
すべての保険に最初から加入するのは費用面で現実的ではない場合もあります。個人事業主の開業時におすすめの保険加入の優先順位を解説します。
優先度の考え方
保険の優先度は「事故が起きた場合の損害の大きさ」と「事故が起きる可能性」の 2 つの観点で判断します。
| 優先度 | 保険の種類 |
|---|---|
| 最優先 | 借家人賠償責任保険、施設賠償責任保険 |
| 高 | 火災保険(什器備品) |
| 中 | 休業補償保険、所得補償保険 |
最優先で加入すべき保険
賃貸物件で開業する個人事業主が最優先で加入すべきなのは、借家人賠償責任保険と施設賠償責任保険です。
理由は 2 つあります。まず、借家人賠償責任保険は賃貸借契約で加入が義務付けられているケースがほとんどであること。そして、施設賠償責任保険は事故が起きた場合の賠償額が高額になりやすく、保険なしでは事業の存続が危ぶまれるためです。
1 億円規模の賠償責任を保険なしで負うことは、開業したばかりの個人事業主にとって事業の存続に大きな影響を及ぼします。賠償責任保険は万が一の時に事業を守るための重要な備えと言えます。
火災保険は賠償責任保険とセットで
火災保険(什器備品の補償)は、賠償責任保険とセットで企業総合保険として加入するのが一般的です。セットでの加入により手続きも効率的になります。
一般的に、小規模事務所の場合は什器備品 200〜300 万円の補償に借家人賠償責任 1,500 万円、施設賠償責任 1 億円をセットにした場合、年間保険料は 2〜3 万円程度になるケースがあります(保険料は物件の構造、所在地、業種、補償内容などの条件により異なります)。月額にすると 2,000〜3,000 円程度ですので、個人事業主にとって大きな負担にはなりにくい金額です。
段階的に補償を拡充する
開業時は最低限の保険でスタートし、事業の成長に合わせて補償を拡充していく方法もあります。
- 開業時: 火災保険+賠償責任保険(基本セット)
- 従業員を雇用した時: 休業補償保険の追加を検討
- 事業が軌道に乗った時: 所得補償保険の追加を検討
- 設備投資を行った時: 什器備品の保険金額の見直し
事業の規模やリスクは時間とともに変化します。年に一度は保険内容を見直し、現在の事業実態に合った補償内容になっているかを確認する習慣をつけましょう。
個人事業主が保険を選ぶときの注意点
最後に、個人事業主が保険を選ぶ際に注意したいポイントをまとめます。
不動産会社に勧められた保険だけで判断しない
事務所の賃貸借契約時に不動産会社から保険を勧められることがよくあります。しかし、提示された保険が最適とは限りません。
不動産会社は保険の専門家ではなく、副業として保険代理店をしているケースも少なくありません。保険の専門代理店に相談することで、より適切な補償内容の提案を受けられます。
業種に合った補償を選ぶ
同じ個人事業主でも、事務所で IT の仕事をするフリーランスと飲食店を開業する事業主では、必要な補償がまったく異なります。
- IT 系事務所: サーバーを自社保有している場合は電気的・機械的事故の特約を検討
- 飲食店: 施設賠償責任保険の重要度が特に高く、休業補償も検討が必要
- 小売店: 商品・在庫品の補償を忘れずに設定する
- 美容室・サロン: 高額な施術機器の評価と施術中の事故への備え
大手保険会社と中小保険会社の違い
保険料の安さだけで保険会社を選ぶと、事故が起きた際に後悔する可能性があります。大手保険会社には以下のような特徴があります。
- 事故対応のスピードとノウハウの蓄積
- 全国に広がる代理店ネットワークによるサポート
- 災害復旧支援サービスとの提携(専門業者による迅速な復旧支援など)
- 賠償保険金の支払い時に比較的柔軟な対応
一方で、中小の保険会社は保険料が安い傾向にあります。事業規模やリスクの大きさを踏まえて、保険料と事故対応のバランスで選ぶことが大切です。
特に賠償責任保険では、保険会社によって保険金の支払い基準に差が出ることがあります。賠償保険金の算定基準は保険会社や契約内容によって異なるため、契約前に支払い基準を確認しておくことが大切です。開業時のコストを抑えたい気持ちはわかりますが、保険料だけでなく事故対応の内容も含めて比較検討することをおすすめします。
更新時の見直しを忘れない
保険は加入して終わりではありません。以下のタイミングで保険内容を見直すことをおすすめします。
- 保険の更新時期(1 年ごとまたは契約満了時)
- 事務所の移転や増床をした時
- 新たに設備や機材を購入した時
- 従業員を雇用した時
- 事業内容を変更した時
近年は保険料率の改定が 2〜3 年ごとに行われており、更新のたびに保険料が上がるケースが増えています。更新時には他社の見積もりも含めて比較検討することで、保険料の上昇を抑えられる場合があります。
この記事のまとめ
- 個人事業主が開業時に入るべき保険の基本は、火災保険(什器備品)、借家人賠償責任保険、施設賠償責任保険の 3 つ
- 事務所の火災保険は住宅用では加入できず、企業総合保険などの事業用商品で加入する
- 小規模事務所なら什器備品 200〜300 万円、施設賠償 1 億円、借家人賠償 1,500 万円の設定で年間保険料 2〜3 万円程度が目安
- 保険金の支払い方法は新価実損払いを選ぶことで、設備復旧に十分な補償を確保できる
- 事業用の保険料は全額経費計上でき、自宅兼事務所の場合は面積按分が必要
- 開業時は最低限の補償でスタートし、事業の成長に合わせて段階的に補償を拡充するのが現実的
よくある質問
個人事業主が開業時に最低限入るべき保険は何ですか?
事務所や店舗の火災保険(什器備品の補償)、借家人賠償責任保険(大家への賠償)、施設賠償責任保険(第三者への賠償)の 3 つが基本です。小規模事務所であれば年間 2〜3 万円程度で加入できるケースもあります。
個人事業主の事務所に住宅用の火災保険は使えますか?
使えません。事務所や店舗は住宅用の火災保険では引き受けできず、企業総合保険や事業活動総合保険など事業用の商品で加入する必要があります。
個人事業主の保険料は経費にできますか?
はい、事業用の保険料は全額を必要経費として計上できます。勘定科目は損害保険料を使い、自宅兼事務所の場合は事業使用割合に応じた按分が必要です。確定申告で経費として差し引けます。
賠償責任保険の補償額はいくらに設定すればよいですか?
施設賠償責任保険は 1 億円程度、借家人賠償責任保険は 1,500 万円程度が一般的な目安です。万が一の人身事故も想定し、十分な補償額を確保しておくことをおすすめします。
開業届を出す前に保険に加入できますか?
はい、開業届の提出前でも事業用の火災保険に加入できます。賃貸借契約を結ぶ際に保険加入を求められることが多いため、物件契約と同時に保険の手続きを進めるのが一般的です。
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