台風対策は家の事前準備が9割!やるべき10選
この記事のポイント
台風対策は事前準備で被害の大部分を防げます。窓ガラスの飛散防止や屋根点検など物理的対策10選と、火災保険の風災・水災補償の確認ポイントを保険の専門家が解説します。
台風が近づくたびに「自分の家は大丈夫だろうか」と不安になる方も多いのではないでしょうか。日本は毎年平均 25 個の台風が発生し、そのうち数個が上陸して各地に被害をもたらしています。
台風対策は事前の準備がすべてであり、直前に慌てても間に合わないことがほとんどです。窓ガラスの補強や屋根の点検といった物理的な対策に加え、火災保険の補償内容を確認しておくことで、万が一の被害にも冷静に対処できます。この記事では、台風シーズン前にやっておくべき対策 10 選を、物理的な備えと保険の備えの両面から解説します。

台風対策は事前準備が 9 割
台風による住宅被害は、事前の準備次第で大きく軽減できます。接近直前ではできる対策が限られるため、平時からの備えが何より重要です。
台風で住宅が受ける被害の種類
台風による住宅被害は大きく分けて 3 つのタイプがあります。
| 被害タイプ | 主な原因 |
|---|---|
| 風害 | 強風による屋根や外壁の損壊、飛来物による破損 |
| 水害 | 大雨による浸水、河川氾濫、土砂災害 |
| 複合被害 | 風で屋根が壊れ、そこから雨水が浸入するケース |
台風が上陸する前に対策を済ませておけば、被害を最小限に抑えられるだけでなく、もし被害を受けた場合でも保険請求をスムーズに進めることができます。以下、具体的な対策を 10 項目に分けて解説していきます。
台風対策のスケジュール目安
台風シーズン(7 月から 10 月)に向けて、対策を計画的に進めることが大切です。
- 6 月まで: 屋根や外壁の点検、排水溝の清掃、保険の確認
- 台風接近 3 日前: ベランダや庭の飛散物の片付け、食料品や生活用品の備蓄
- 台風接近前日: 窓の補強、停電や断水への最終準備、避難経路の確認
直前に慌てると買い物も混雑して必要なものが手に入りにくくなります。余裕をもったスケジュールで準備を進めましょう。
対策 1: 窓ガラスの飛散防止
台風被害で特に多いのが、飛来物による窓ガラスの破損です。割れたガラスの破片は室内に飛び散り、家族がケガをする危険性があります。
飛散防止フィルムの貼り付け
窓ガラスに飛散防止フィルムを貼ることで、万が一ガラスが割れても破片の飛散を防げます。ホームセンターで 1,000 円から 3,000 円程度で購入できるため、費用対効果の高い対策といえます。
- フィルムは窓ガラスの内側に貼る
- 気泡が入らないようにヘラで丁寧に伸ばす
- 窓の端まで隙間なく貼ることがポイント

養生テープを窓ガラスに貼る方法もよく聞きますが、効果はありますか?
雨戸やシャッターの確認
雨戸やシャッターが設置されている住宅では、台風接近前に必ず閉めましょう。普段使っていない雨戸は動きが悪くなっていることがあるので、事前にスムーズに開閉できるか確認しておくことが大切です。
- レールにゴミが溜まっていないか確認する
- 動きが悪い場合はシリコンスプレーで潤滑する
- 鍵がしっかり閉まるか確認する
雨戸やシャッターがない窓は、飛散防止フィルムに加えて段ボールや合板で外側から補強する方法もあります。
対策 2: 屋根や外壁の点検と補修
屋根や外壁は台風の強風をまともに受ける部分です。劣化した箇所を放置しておくと、台風で一気に破損が広がる危険性があります。
屋根の点検ポイント
屋根の状態は地上から目視で確認できる範囲もあります。ただし、屋根の上に登るのは大変危険ですので、専門業者に点検を依頼してください。
- 瓦のずれや浮き、ひび割れがないか
- スレート屋根の塗膜剥がれや変色がないか
- 棟板金の釘浮きや変形がないか
- テレビアンテナの支柱が緩んでいないか
国土交通省の調査によると、台風による住宅被害のうち屋根の損傷が全体の約 40% を占めています。屋根は住宅の中で最も風の影響を受けやすい部分であり、定期的な点検が欠かせません。
屋根の状態が気になる方や、前回の点検から数年経過している方は、台風シーズン前に専門業者による点検を依頼しましょう。火災保険を活用した屋根修理について詳しくは、火災保険の屋根修理で解説しています。
外壁のチェック項目
外壁にひび割れやシーリングの劣化がある場合、そこから雨水が浸入する原因になります。
- 外壁のひび割れ(幅 0.3mm 以上は要注意)
- 目地のシーリング材のひび割れや痩せ
- 外壁タイルの浮きや剥がれ
- 塗膜の剥がれやチョーキング現象
小さなひび割れであっても、強風で雨水が吹き込むと建物内部の腐食につながります。早めの補修が結果的にコストを抑えることになります。
対策 3: ベランダや庭の片付け
台風のときにベランダや庭にある物が風で飛ばされると、自宅はもちろん近隣の住宅にも被害を及ぼす可能性があります。
飛散しやすいもの一覧
以下のものは台風接近前に必ず室内に取り込むか、しっかり固定してください。
- 植木鉢、プランター
- 物干し竿、洗濯ばさみ
- 自転車、三輪車
- ゴミ箱
- 園芸用具、ほうき
- アウトドア用テーブルや椅子
- すだれ、よしず
飛来物によるリスク
風速 40m/s を超えると、小さな看板やトタン板が飛んできて窓ガラスを突き破ることがあります。自分の家の飛散物を片付けるだけでなく、周囲から飛んでくるものへの備えも必要です。前述した窓ガラスの飛散防止対策と合わせて行いましょう。
対策 4: 排水溝と雨樋の清掃
排水溝や雨樋が詰まっていると、大雨のときに雨水が正常に排水されず、浸水被害を引き起こす原因になります。
排水溝の清掃手順
ベランダやバルコニーの排水溝は、落ち葉やゴミが溜まりやすい場所です。
- 排水口のカバーを外して中のゴミを取り除く
- 水を流して排水がスムーズか確認する
- 排水溝の周囲に落ち葉や土が堆積していれば除去する
- 詰まりがひどい場合はパイプクリーナーを使用する
雨樋の点検
雨樋が破損していたり、落ち葉で詰まっていたりすると、大雨のときに雨水が溢れて外壁や基礎部分に水が浸入します。
- 雨樋にヒビや割れ、ゆがみがないか確認する
- 落ち葉やゴミが詰まっていないか確認する
- 雨樋の接続部分が外れていないか確認する
- 排水管の出口がスムーズに水を排出できるか確認する

排水溝の清掃はどのくらいの頻度で行うべきですか?

対策 5: 停電や断水への備え
大型台風では停電や断水が長期間にわたることがあります。2019 年の台風 15 号では、千葉県を中心に最大約 93 万戸が停電し、一部地域では復旧に 2 週間以上かかりました。
停電への備え
- 懐中電灯やランタンの電池残量を確認する
- モバイルバッテリーやポータブル電源を充電しておく
- 冷蔵庫は台風前に温度を最低に設定し、保冷剤を凍らせておく
- カセットコンロとガスボンベを用意する
断水への備え
- 飲料水は 1 人 1 日 3 リットルを目安に 3 日分を備蓄する
- 浴槽に水を張っておく(生活用水として使用)
- 非常用の携帯トイレを準備する
食料品と生活必需品の備蓄
台風接近が予想されると、スーパーやコンビニの食料品が品薄になります。以下のものは早めに用意しておきましょう。
- 水(1 人 3 リットル x 3 日分)
- 缶詰、レトルト食品
- 乾パン、クラッカー
- カップ麺(お湯を沸かせる前提)
- 常備薬、救急キット
- 簡易トイレ、ウェットティッシュ
対策 6: 避難計画の確認
台風による河川氾濫や土砂災害が予想される地域では、早めの避難が命を守る最善策です。
ハザードマップの確認
お住まいの地域のハザードマップを確認し、洪水や土砂災害のリスクがどの程度あるかを把握しておきましょう。
- 市区町村のホームページでハザードマップを確認する
- 国土交通省の「重ねるハザードマップ」で複数のリスクを同時に確認する
- 自宅周辺の浸水想定区域と浸水深を確認する
- 最寄りの避難所とそこまでの経路を確認する
内閣府の「避難情報に関するガイドライン」では、警戒レベル 3 で「高齢者等避難」、警戒レベル 4 で「避難指示」が発令されます。警戒レベル 5 はすでに災害が発生している状態であり、レベル 4 までに必ず避難を完了させることが重要です。
家族で避難ルールを共有する
台風が接近してからでは混乱して判断が遅れがちです。平時のうちに家族で避難に関するルールを決めておきましょう。
- どの段階で避難するかの判断基準を決める
- 避難所の場所と複数の避難経路を確認する
- 離れた場所にいる家族との連絡方法を決める(災害用伝言ダイヤル 171 など)
- ペットの避難先を確認する
- 非常用持ち出し袋を玄関付近に用意する
自然災害への備えについてさらに詳しく知りたい方は、自然災害への備えチェックリストも参考にしてください。
対策 7: 車や自転車の保護
意外と見落としがちなのが、車や自転車への台風対策です。
車の台風対策
- 屋外駐車場の場合は立体駐車場や屋内駐車場への移動を検討する
- 浸水リスクのある場所に駐車している場合は高台に移動する
- 飛来物から守るためにカバーをかける(ただし、風速が強い場合はカバーが飛ばされるリスクもある)
カーポートがある場合は、カーポート自体が強風で飛ばされないよう固定状態を確認してください。カーポートの屋根パネルは強風で外れやすい部品の一つです。
自転車やバイクの保護
自転車やバイクは必ず横に倒しておくか、室内に入れてください。立てたままだと風で倒れてほかの物に当たり、被害が拡大する恐れがあります。
対策 8: 保険の備え(風災と水災補償の確認)
物理的な対策と同じくらい重要なのが、火災保険の補償内容の確認です。台風で家が損害を受けたとき、適切な保険に入っていれば修理費用の大部分をカバーできます。
風災補償の確認
火災保険の風災補償は、台風や突風などの強風によって建物が受けた損害を補償するものです。ほとんどの火災保険で基本補償に含まれていますが、契約内容を改めて確認しておきましょう。
- 風災補償が付帯されているか
- 免責金額がいくらに設定されているか
- 保険金額が建物の再調達価額に見合っているか
- 家財にも保険をかけているか
火災保険の風災補償について詳しくは、火災保険の風災補償とは?対象範囲と請求のポイントで解説しています。
水災補償の必要性
風災補償が基本補償に含まれていることが多い一方で、水災補償は任意付帯の場合があります。台風による河川氾濫や床上浸水、土砂崩れなどの被害は水災補償の対象です。
水災補償をつけるかどうかは、お住まいの地域のリスクに応じて判断してください。
- ハザードマップで浸水想定区域に入っている場合は必須
- 河川や海岸の近くにお住まいの場合は検討すべき
- 高台にある住宅でも土砂災害のリスクがある場合は付帯を推奨
台風被害の保険請求について詳しくは、火災保険で台風被害は補償される?で解説しています。
台風前の写真撮影のすすめ
台風被害で保険金を請求する際、被害が台風によるものなのか、それとも経年劣化なのかが争点になることがあります。台風前に建物の外観を写真に記録しておくと、被害の証拠として非常に有効です。
- 建物の外壁を各面から撮影する
- 屋根の見える範囲を撮影する
- 窓周りや雨樋の状態を撮影する
- カーポートや物置の状態も記録する
対策 9: 台風接近時と通過中の行動
ここまでは事前の準備について解説してきましたが、台風が接近してから通過するまでの間の行動も重要です。
台風接近時にやること
- テレビやラジオ、スマートフォンの防災アプリで最新情報を確認する
- 自治体の避難情報に注意する
- 窓のカーテンを閉める(ガラスが割れた場合の飛散防止)
- 浴槽に水を張る
- スマートフォンやモバイルバッテリーをフル充電にする
台風通過中に注意すること
台風の最中は以下の行動を絶対に避けてください。
- 外出は控える(川の様子を見に行くなどは厳禁)
- 屋根の補修を行わない
- 不用意に窓を開けない(気圧差で窓が吹き飛ぶことがある)
- エレベーターの使用は控える(停電で閉じ込められるリスク)
対策 10: 台風通過後の対応
台風が通過したら、被害状況を確認し、必要に応じて保険金の請求や修理の手配を行います。
安全確認と被害のチェック
台風通過後、安全が確認できたら建物の被害状況を確認します。ただし屋根の上に登るなどの危険な行動は避け、目視できる範囲で確認してください。
- 建物の外周を一周して外壁の損傷を確認する
- 窓ガラスの破損がないか確認する
- 雨樋やカーポートの状態を確認する
- 室内に雨漏りの痕跡がないか確認する
- 敷地内の塀やフェンスの状態を確認する
被害写真の撮影と記録
被害を見つけたら、修理に取りかかる前に必ず写真を撮影してください。保険金請求には被害状況の証拠写真が必要です。
- 被害箇所のアップ写真と全景写真を撮影する
- 複数の角度から撮影する
- 被害を発見した日時を記録する
- 動画で全体の状況を記録しておくと説明に役立つ
保険会社への連絡
被害状況を確認したら、速やかに加入している火災保険の保険会社に連絡してください。連絡時に伝えるべき情報は以下の通りです。
- 契約者名と保険証券番号
- 被害の発生日時
- 被害の概要(どこがどのように損傷したか)
- 被害の程度

台風通過後に屋根が気になるのですが、自分で屋根に登って確認した方がよいですか?
屋根の上の確認は落下の危険があるため、絶対にご自身では行わないでください。台風後は屋根が濡れて滑りやすくなっており、さらに目に見えない損傷で強度が低下していることもあります。屋根の点検は必ず専門の業者に依頼してください。
修理業者の選び方
台風後は修理業者への依頼が集中するため、悪質な訪問業者に注意が必要です。
- 「火災保険で無料修理できます」と訪問してくる業者には警戒する
- 地元で実績のある業者に依頼する
- 複数の業者から見積もりを取って比較する
- 契約を急かす業者には応じない
台風対策チェックリスト
ここまで解説した 10 の対策を、チェックリストとしてまとめます。台風シーズン前に一つずつ確認していきましょう。
| 対策項目 | チェック |
|---|---|
| 窓ガラスの飛散防止フィルム貼り付けまたは雨戸の確認 | 完了/未了 |
| 屋根、外壁の点検(ひび割れ、瓦のずれ、アンテナの固定) | 完了/未了 |
| ベランダ、庭の飛散物の固定または室内への取り込み | 完了/未了 |
| 排水溝、雨樋の清掃 | 完了/未了 |
| 停電、断水への備え(懐中電灯、飲料水、食料品の備蓄) | 完了/未了 |
| 避難計画の確認(ハザードマップ、避難所、連絡手段) | 完了/未了 |
| 車、自転車の保護 | 完了/未了 |
| 火災保険の補償内容確認(風災、水災、免責金額) | 完了/未了 |
| 建物の外観写真の撮影 | 完了/未了 |
| 非常用持ち出し袋の準備 | 完了/未了 |
このチェックリストをもとに、台風シーズン前に一通りの対策を済ませておくことで、いざというときに慌てず対応できます。
この記事のまとめ
-
台風対策は事前準備が 9 割。6 月中に屋根や外壁の点検、排水溝の清掃、保険の確認を済ませておくことが大切
-
窓ガラスの飛散防止フィルムやベランダの飛散物の片付けは、被害を最小限に抑えるための基本対策
-
停電や断水は数日から数週間に及ぶこともあるため、飲料水や食料品、モバイルバッテリーなどの備蓄を怠らない
-
火災保険の風災補償で台風による建物の損害はカバーできるが、浸水被害には水災補償が必要。ハザードマップを確認して必要な補償を判断する
-
台風前後に建物の外観を写真に撮っておくと、保険金請求時に経年劣化との区別がつきやすくなる
よくある質問
台風対策で最低限やっておくべきことは何ですか?
窓ガラスの飛散防止フィルム貼り、ベランダや庭の飛散物の片付け、排水溝と雨樋の清掃の 3 つが最低限の対策です。これだけでも被害リスクを大幅に下げられます。
台風で家が壊れたら火災保険で直せますか?
はい、台風の風による建物の損害は火災保険の風災補償で修理費用が補償されます。ただし、浸水や土砂崩れによる被害は水災補償の対象で、別途付帯が必要な場合があります。
台風対策はいつから始めればよいですか?
台風シーズンは例年 7 月から 10 月です。6 月中に屋根や外壁の点検、排水溝の清掃、保険の補償内容確認を済ませておくのが理想的です。
マンションでも台風対策は必要ですか?
必要です。高層階ほど風の影響を受けやすく、窓ガラスの飛散防止やベランダの飛散物撤去が重要です。共用部分の管理組合による対策も確認してください。
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