社外取締役とは
一言でいうと
その会社や子会社の業務執行に携わっていない、社外から招かれた取締役のこと。会社法第2条第15号に要件が定められ、経営への監督機能を担います。業務を執行しない立場でも取締役としての法的責任は負うため、就任にあたってD&O保険の有無が確認されることが増えています。
社外取締役とは
社外取締役(しゃがいとりしまりやく)とは、その会社や子会社の業務執行に携わっていない、社外から招かれた取締役のことです。会社法第2条第15号に要件が定められており、現在または就任前の一定期間にその会社・子会社の業務執行取締役や使用人でなかったことなどが求められます。
経営陣から独立した立場で経営を監督し、少数株主や会社全体の利益を守る役割を期待されています。2021年3月施行の改正会社法では、監査役会設置会社のうち公開会社かつ大会社で有価証券報告書の提出義務がある会社に、社外取締役を置くことが義務づけられました(会社法第327条の2)。
社外取締役が負う責任
社外取締役は業務を執行しない立場ですが、取締役である以上、法的責任を免れるわけではありません。
- 会社に対する任務懈怠責任(会社法第423条第1項)
- 取締役会での意思決定に賛成したことへの責任
- 他の取締役に対する監視・監督義務を怠ったことへの責任
「名前を貸しているだけ」のつもりでも、取締役会の一員として下した判断や、不正を見過ごしたことについて、株主代表訴訟などで個人責任を追及される可能性があります。
責任限定契約とD&O保険
社外取締役の責任負担を軽減する仕組みとして、次の2つがよく使われます。
| 仕組み | 内容 |
|---|---|
| 責任限定契約 | 職務を行うにつき善意・無重過失の場合に、賠償責任の上限をあらかじめ定める契約 |
| D&O保険 | 賠償金や弁護士費用などの争訟費用を保険で補償する |
責任限定契約は会社に対する責任の上限を画するものにとどまるため、第三者からの請求や争訟費用まではカバーできません。このため、D&O保険とあわせて備えるのが実務的な対応です。
就任前にD&O保険を確認する流れ
社外取締役の候補者が、就任を引き受ける条件としてD&O保険の加入状況を確認するケースは増えています。役員報酬に対して責任リスクが大きすぎる場合、保険による保護がなければ就任を断るという判断も現実に起きています。
会社側から見ると、D&O保険の整備は、社外の優秀な人材に取締役として参画してもらうための受け入れ体制の一部になっているといえます。
参考文献
- e-Gov法令検索 - 会社法(平成十七年法律第八十六号)第2条第15号 - 社外取締役の定義
- 日本損害保険協会 - 賠償責任のリスク - 企業の賠償責任リスクと保険の解説
