D&O保険(会社役員賠償責任保険)とは
一言でいうと
会社の役員(取締役、監査役、執行役員など)が業務上の判断や行為によって損害賠償責任を負った場合に、損害賠償金や弁護士費用などの争訟費用を補償する保険のこと。D&OはDirectors and Officersの略で、上場・非上場を問わず加入でき、保険料は会社が負担するのが一般的です。
D&O保険(会社役員賠償責任保険)とは
D&O保険(ディーアンドオーほけん)は、会社の役員(取締役、監査役、執行役員など)が業務に関する判断や行為について損害賠償責任を負った場合に、損害賠償金や弁護士費用(争訟費用)を補償する賠償責任保険です。D&OはDirectors(取締役)and Officers(役員)の頭文字に由来します。
2021年3月に施行された改正会社法では、D&O保険(役員等賠償責任保険契約)に関する規定が第430条の3として新設され、取締役会の決議による契約締結の手続きが明確化されました。これにより、D&O保険は法律上も正式に位置づけられた保険契約となっています。
D&O保険の補償内容
D&O保険で補償される費用は、大きく2つに分かれます。
| 費用の種類 | 内容 |
|---|---|
| 損害賠償金 | 役員が法律上の損害賠償責任を負った場合に支払う賠償金 |
| 争訟費用 | 弁護士報酬、訴訟費用、調停・和解費用などの法的対応にかかる費用 |
争訟費用は訴訟の勝敗にかかわらず補償されるため、勝訴した場合であっても弁護士費用が自己負担にならないという点が大きなメリットです。
ただし、役員本人が故意に行った不正行為や犯罪行為については、補償の対象外となります。
D&O保険が必要な理由
役員が個人として訴えられるリスクは、上場企業に限った話ではありません。非上場の中小企業でも、以下のようなケースで役員個人の責任が問われることがあります。
- 共同経営者間の経営方針の対立による株主代表訴訟
- 経営判断の失敗による損害賠償請求
- ハラスメントに対する管理監督責任の追及
- 取引先の倒産に伴う取引判断への責任追及
- 事業承継をめぐる紛争
役員訴訟では弁護士費用だけで数百万円から数千万円、賠償金は数千万円から数億円に上ることがあり、個人の資産では対応が困難な金額になるのが一般的です。
契約形態と保険料
D&O保険は会社が契約者となり、保険料は会社が負担するのが一般的です。保険料は会社の経費として処理できるため、役員個人の費用負担はありません。保険料は会社の規模、業種、補償金額などによって異なります。
参考文献
- 金融庁 - 会社役員賠償責任保険の概要 - D&O保険の法的位置づけと概要
- e-Gov法令検索 - 会社法(平成十七年法律第八十六号)第430条の3 - 役員等賠償責任保険契約に関する法律の規定
- 日本損害保険協会 - 賠償責任のリスク - 企業の賠償責任リスクと保険の解説
