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「うちは小さいから狙われない」は危険な思い込み

この記事のポイント

中小企業がサイバー攻撃に狙われないというのは誤解です。無差別攻撃で企業規模に関係なく被害に遭い、一発で事業停止や倒産のリスクもあります。専門家が中小企業のサイバーリスクの実態を解説します

「うちは小さい会社だから、サイバー攻撃には狙われないよ」。そう思っている経営者は少なくありません。しかし、この思い込みがリスクを見落とす原因になることがあります。

最近のサイバー攻撃は特定の企業を狙い撃ちにするのではなく、セキュリティの弱いところを無差別に攻撃してきます。企業規模は関係ありません

この記事では、サイバー保険の専門家への取材をもとに、「うちは小さいから大丈夫」がなぜ危険な思い込みなのかを具体的な事例とともに解説します。

小さい会社でも狙われるサイバー攻撃のリスクを解説するイメージ

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の保険商品の推奨・勧誘を目的とするものではありません。保険商品の詳細は各保険会社の約款や重要事項説明書をご確認ください。補償内容や保険料は保険会社・プラン・条件により異なります。

「小さいから狙われない」が危険な理由

多くの中小企業の経営者は「サイバー攻撃は大企業の問題」と考えています。ニュースで報じられるのは大手企業の被害が中心のため、そう感じるのは無理もありません。

しかし実態は異なります。サイバー攻撃の手法は大きく変わっており、今は「無差別型攻撃」が主流です。

平

無差別でセキュリティが弱いところを狙って攻撃してくるっていう傾向が今あります。企業の規模にかかわらずリスクが高まっているんです。パソコンを使っている限り、無差別にウイルスに感染してしまう危険性があります。

攻撃者は企業規模を見て攻撃先を選んでいるわけではありません。インターネット上で見つかるセキュリティの隙を自動的にスキャンし、脆弱なポイントがあればそこから侵入します。会社の大きさは関係ないのです。無差別攻撃の最新動向については中小企業を狙うランサムウェア攻撃の最新傾向で詳しく解説しています。

実際に被害に遭った中小企業の事例

「小さいから狙われない」という思い込みがいかに危険かを示す実際の事例をご紹介します。

売上50億円、従業員30人から50人の中小企業がランサムウェアに感染しました。この企業には以下のような特徴がありました。

  • 社内にIT部門がある
  • セキュリティソフトを導入済み
  • セキュリティ対策を組織的に実施していた
マネサロくん
マネサロくん

セキュリティ対策をしっかりやっていたのに被害に遭ったんですか?

平

はい、結構しっかりセキュリティ対策をしていたんですけど、それでも被害に遭ったという事例です。しかも、メールを開いてしまったとかではなく、土日の間にシステムが感染していて、月曜日の朝にパソコンを開いたらもう感染していたという状況でした。

この企業は無差別攻撃の「たまたま引っかかった1社」にすぎませんでした。特定の企業を標的にしたわけではなく、セキュリティの隙を見つけて侵入されたのです。

結果として、フォレンジック調査やシステム復旧などの事故対応費用だけで約1,200万円が必要になりました。被害額の詳しい内訳はランサムウェア被害額の実態で解説しています。

事業停止や経営悪化につながるリスク

大企業であれば数千万円のサイバー被害が発生しても、経営を続けていける場合が多いです。しかし中小企業にとって、数千万円の想定外の出費は経営に大きな影響を与える可能性があります。

ランサムウェアに感染した場合、以下のような連鎖的な被害が発生します。

  • システムが停止して業務ができなくなる
  • フォレンジック調査やシステム復旧に数千万円かかる
  • 業務停止期間中の売上が失われる
  • 取引先からの信頼を失う可能性がある
  • 情報漏洩があれば賠償金やお詫び費用も発生する

ITに強く依存している企業がランサムウェアに感染すると、売り上げが大幅に下がったり、営業に支障が出る可能性があります。中小企業の場合、業務停止が長期化すると経営に深刻な影響を及ぼすことも考えられます。

資金力の限られた中小企業にとって、突然の数千万円の出費と売上の急減が同時に起きた場合、事業継続に影響するリスクが考えられます。身代金以外にも企業が見落としがちなコストについてはランサムウェアの隠れたコストで解説しています。

大企業への踏み台として利用される危険

「うちが攻撃されても困るのはうちだけ」と思っている経営者もいるかもしれません。しかし、中小企業が大企業への攻撃の踏み台として利用されるケースが増えています。

平

大企業を攻撃するためのステップとして中小企業が使われるパターンがあります。踏み台にして本当の標的に攻撃を仕掛けていくということですね。中小企業のセキュリティを突破して、そこから取引先の大企業に侵入するわけです。

踏み台にされた場合、自社の被害だけでなく、取引先に与えた損害の賠償責任を負う可能性があります。

  • 自社のセキュリティの甘さが取引先の情報漏洩につながった場合、賠償請求される
  • 取引先との取引停止や契約解除につながるリスクがある
  • 業界内での信用を失い、新規取引の獲得が困難になる
マネサロくん
マネサロくん

踏み台にされた場合の賠償責任って、どのくらいの金額になりますか?

平

下請け会社のセキュリティが甘くて、それが元請けに損害を与えた場合は賠償責任が発生します。金額は被害の規模によりますが、数千万円から、場合によっては億単位になる可能性もあります。※賠償額は事案の内容や規模により大きく異なります。サイバー保険の賠償責任補償でカバーすることが重要です。

中小企業のサイバー保険加入率は低すぎる

サイバー攻撃のリスクが高まっているにもかかわらず、中小企業のサイバー保険への関心はまだ低い状況です。

大企業でもサイバー保険の加入率は約3割程度です。中小企業の加入率はさらに低い水準にとどまっています。

先ほどの事例で被害に遭った中小企業も、自社の判断で加入していたわけではありません。

平

そこは親会社がグループ全体でまとめて加入していたので、たまたま入っていたという状況です。もし単独の中小企業であれば、加入していなかった可能性が高いですね。

親会社がまとめて加入していたおかげで約1,200万円の保険金を受け取ることができましたが、もし未加入であれば全額自己負担でした。このように、保険に入っているかどうかで経営へのダメージは大きく変わります。

パソコン1台100万円の調査費用を知っていますか

「うちは小さいからサイバー保険なんて必要ない」と言う前に、1つだけ知っておいてほしい事実があります。

平

パソコン1台調べるのに100万円はかかるんです。どんな規模の会社であっても、パソコンを使っている限りこの費用は変わりません。だから、それより安い保険料でリスクヘッジしておくっていうのは、どんな規模の会社にもお伝えしています。

パソコンが5台あれば調査費用だけで500万円、10台あれば1,000万円です。さらにシステム復旧費用や逸失利益が加わります。

一方、サイバー保険は年間数万円から加入できます。この費用対効果を考えると、保険の加入を検討する意義は大きいと言えます。限られた予算でまず何をすべきかは限られた予算で優先すべきセキュリティ対策4選を参考にしてください。

今すぐできる3つのアクション

「小さいから狙われない」という思い込みを捨てたら、次は具体的な行動です。まずは以下の3つから始めましょう。

  • セキュリティ対策の見直し(ソフトウェアの更新、2段階認証の導入、従業員教育)
  • サイバー保険の検討(年間数万円から加入可能)
  • 事故発生時の対応フローの確認(誰がどこに連絡するのかを決めておく)

セキュリティ対策は「機械面」と「人の面」の両方が重要です。セキュリティソフトを入れるだけでなく、従業員に対する教育も欠かせません。不審なメールを開かないことの重要性を周知するだけでも、リスクを大幅に減らすことができます。具体的な対策の進め方は中小企業が今すぐやるべきランサムウェア対策5選で解説しています。

この記事のまとめ

  • 「小さいから狙われない」は危険な思い込みで、サイバー攻撃は無差別型が主流
  • セキュリティ対策をしっかりしていた中小企業でも被害に遭い、事故対応費用だけで約1,200万円が必要になった事例がある
  • 中小企業が大企業への攻撃の踏み台として利用されるリスクもあり、賠償責任を負う可能性がある
  • サイバー保険は年間数万円から加入でき、パソコン1台の調査費用100万円と比較すると費用対効果が高い

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マネサロくん

小さい会社でもサイバー攻撃のリスクはありますか?

はい、あります。最近のサイバー攻撃は無差別型が主流で、セキュリティの弱い企業から順に攻撃されます。企業規模に関係なく、パソコンを使っている限りリスクがあります。

セキュリティ対策をしていれば安心ですか?

セキュリティ対策は必須ですが、それだけでは不十分です。IT部門があり、セキュリティ対策をしっかりしていた企業でも被害に遭った事例があります。保険による備えも合わせて検討すべきです。

中小企業がランサムウェア被害を受けると倒産しますか?

事故対応費用だけで数千万円に達することがあり、資金力の限られた中小企業にとっては経営を大きく圧迫する可能性があります。業務が長期間停止すれば、経営に深刻な影響を及ぼすリスクも考えられます。

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