契約・手続き(うけとりにん)

受取人とは

一言でいうと

保険金や給付金を受け取る権利を持つ人のこと。生命保険では契約者が自由に指定できますが、損害保険では原則として被保険者が受取人となります。誰を指定するかで税金の種類も変わるため、慎重な検討が必要です。

受取人とは

受取人とは、保険契約において保険金や給付金を受け取る権利を持つ人のことです。生命保険では契約者が受取人を指定できる一方、損害保険では原則として被保険者が受取人となります。受取人を誰にするかで課される税金が変わるため、契約時には慎重に検討することが大切です。

生命保険の受取人

指定できる範囲

死亡保険金の受取人には、一般的に配偶者および2親等以内の血族(子、父母、孫、兄弟姉妹)を指定できます。近年は事実婚や同性パートナーを指定できる保険会社もあります。

3つの指定パターン

  1. 特定の個人を指定: 配偶者や子どもなど氏名を明記する最も一般的な方法
  2. 法定相続人を指定: 被保険者の死亡時点での法定相続人に均等に支払われる
  3. 複数人を割合で指定: 「配偶者50%、長男25%、長女25%」のように割合を決めて分ける

なお、入院給付金や手術給付金は原則として被保険者本人が受取人です。

損害保険の受取人

損害保険では受取人を自由に指定する仕組みは基本的にありません。保険金は損害の補填が目的であり、被保険者本人が受け取るのが原則です。

保険の種類受取人
火災保険建物や家財の所有者(被保険者)
自動車保険契約者または被保険者
傷害保険(死亡保険金)法定相続人または指定された受取人
傷害保険(後遺障害・入院等)被保険者本人

受取人と税金の関係

死亡保険金には、契約者(保険料負担者)・被保険者・受取人の関係によって異なる税金が課されます。

契約者(保険料負担者)被保険者受取人課される税金
AAB相続税
ABA所得税・住民税
ABC贈与税

相続税の場合は「500万円 x 法定相続人の数」の非課税枠があります。所得税の場合は一時所得として「(受取額 - 既払込保険料 - 特別控除50万円) x 1/2」が課税対象です。贈与税は3つの中で税率が最も高くなりやすいため、契約形態には注意が必要です。損害保険の保険金は損害の補填目的のため原則非課税です。

受取人変更の手続き

保険期間中であれば受取人をいつでも変更できます。ただし、支払事由の発生後は変更できません。手続きの流れは以下のとおりです。

  1. 保険会社のコールセンターまたは営業担当者に連絡
  2. 受取人変更請求書を取り寄せて記入
  3. 本人確認書類とともに提出し、保険会社の審査を受ける

変更には被保険者の同意が必要です。2010年4月の保険法施行以降は、法律上有効な遺言による変更も認められています。なお、変更時点では課税されず、保険金受取時に新しい契約関係に基づいて課税されます。

よくある疑問

離婚したら受取人を変更すべきか

変更をおすすめします。離婚しても受取人は自動的に変更されないため、元配偶者に保険金が支払われることになります。保険法58条では、親族関係の終了を理由に被保険者が契約解除を請求する権利も定められています。

受取人が先に亡くなった場合はどうなるか

受取人の法定相続人が新たな保険金受取人となります。想定どおりの相手に渡らない可能性があるため、速やかに新しい受取人を指定し直すことが大切です。

参考文献

  1. 生命保険文化センター - 諸変更と届出 - 受取人変更の手続きと遺言による変更の解説
  2. 生命保険文化センター - 契約者や受取人を途中で変更した場合の税金は? - 受取人変更時の課税関係の解説
  3. 国税庁 - No.1750 死亡保険金を受け取ったとき - 契約形態別の課税パターン
  4. 国税庁 - No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金 - 非課税限度額の計算方法
  5. 日本損害保険協会 - 損害保険の契約について - 損害保険における被保険者と受取人の関係