D&O保険(そうしょうひよう)

争訟費用とは

一言でいうと

訴訟や法的紛争に対応するためにかかる費用の総称で、弁護士報酬、訴訟費用、調停費用、和解交渉費用などが含まれます。D&O保険では訴訟の勝敗にかかわらず補償対象となるため、勝訴した場合でも弁護士費用の自己負担を避けることができます。

争訟費用とは

争訟費用(そうしょうひよう)とは、訴訟や法的紛争に対応するために必要となる費用の総称です。保険の分野では、被保険者が損害賠償請求を受けた際に、その防御や解決のために支出する費用を指します。

争訟費用に含まれる主な費用は以下のとおりです。

費用の種類内容
弁護士報酬弁護士への着手金、報酬金、相談料、日当など
訴訟費用裁判所に納める印紙代、郵便切手代など
調停・仲裁費用裁判外紛争解決手続き(ADR)にかかる費用
和解交渉費用示談交渉や和解のための費用
鑑定費用専門家による鑑定や意見書作成の費用

争訟費用の負担の仕組み

日本の訴訟制度では、勝訴した場合であっても弁護士費用の全額を相手方に請求できるわけではありません。裁判所が認める弁護士費用は損害額の約10%程度が一般的であり、実際にかかった弁護士費用との差額は自己負担となります。

つまり、訴えられた側は訴訟の勝敗にかかわらず経済的な負担を強いられることになります。特に役員訴訟では弁護士費用だけで数百万円から数千万円に上ることがあり、勝訴しても大きな経済的損失が残ります。

弁護士費用の相場

日本弁護士連合会によると、弁護士費用は事件の内容や複雑さ、請求金額の大きさなどによって異なります。役員訴訟のような複雑な民事訴訟の場合、一般的に以下のような費用が発生します。

  • 着手金:訴訟を受任した時点で支払う費用(経済的利益の額に応じて算定)
  • 報酬金:訴訟の結果に応じて支払う成功報酬
  • 日当:弁護士の出張や裁判期日への出席に伴う費用
  • 実費:交通費、コピー代、郵送料などの実費

訴訟が長期化するほど弁護士費用は膨らみ、数年にわたる訴訟では合計で数千万円に達することもあります。

D&O保険における争訟費用の補償

D&O保険(会社役員賠償責任保険)では、争訟費用は主要な補償項目の一つです。D&O保険の大きな特徴として、争訟費用は訴訟の勝敗にかかわらず補償される点が挙げられます。

これは、訴えられること自体が役員個人にとって大きな経済的リスクであり、勝訴したとしても弁護士費用という実質的な損害が発生するためです。D&O保険に加入していれば、万が一訴えられた場合でも、経済的な心配をせずに適切な法的対応に専念できます。

参考文献

  1. 日本損害保険協会 - 賠償責任のリスク - 企業の賠償責任リスクと保険の解説
  2. 日本弁護士連合会 - 弁護士費用 - 弁護士費用の仕組みと目安
  3. 法務省 - 裁判手続きを利用する方へ - 裁判にかかる費用の概要