基本用語(そんがいばいしょうせきにん)

損害賠償責任とは

一言でいうと

他人の身体にケガを負わせたり財物を壊したりした場合に、その損害を金銭で賠償する法的責任のこと。民法の不法行為(第709条)や債務不履行(第415条)を根拠とし、自転車事故や水漏れなど日常生活でも発生します。この責任に備える保険が賠償責任保険です。

損害賠償責任とは

損害賠償責任とは、他人の身体にケガを負わせたり、他人の財物を壊したりした場合に、その損害を金銭で賠償しなければならない法的責任のことです。日常生活の事故から業務上の事故まで、さまざまな場面で発生する可能性があります。

法的根拠

損害賠償責任は、主に民法の2つの規定を根拠として発生します。

不法行為による損害賠償(民法第709条)

「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」と規定されています。契約関係がなくても、過失で他人に損害を与えれば賠償責任が生じます。自転車で歩行者にケガをさせた場合などが典型例です。

債務不履行による損害賠償(民法第415条)

契約上の義務を果たさなかった場合に生じる損害賠償責任です。賃貸住宅の借主が失火で部屋を焼損させた場合、貸主に対して賃貸借契約上の原状回復義務を怠ったとして賠償責任を負います。

日常生活で損害賠償責任が発生する例

日常生活のなかでも、損害賠償責任を負う場面は少なくありません。

場面具体例
自転車事故自転車で走行中に歩行者と衝突し、ケガをさせた
水漏れ洗濯機のホースが外れて水が漏れ、下の階の家財を壊した
ペットの事故飼い犬が散歩中に他人を噛んでケガをさせた
買い物中の事故店舗で商品を落として破損させた

日本損害保険協会によれば、自転車事故で9,500万円を超える高額賠償判決が出た事例もあり、損害賠償責任は個人の生活に大きな影響を及ぼし得るものです。

失火責任法による特例

日本には失火責任法(失火ノ責任ニ関スル法律)という特例があり、軽過失による失火の場合は民法709条の損害賠償責任が免除されます。ただし、重大な過失(寝たばこ、天ぷら油の放置など)があれば賠償責任を負います。

この特例は不法行為責任にのみ適用され、債務不履行責任には適用されません。そのため、賃貸住宅の借主が軽過失で失火した場合でも、貸主への賠償責任は残ります。

損害賠償責任に備える保険

損害賠償責任を補償する保険の総称を賠償責任保険といいます。日本損害保険協会によると、賠償責任保険は法律上の損害賠償責任を負った場合の損害を補償するものです。代表的な種類は以下のとおりです。

保険の種類補償の内容
個人賠償責任保険日常生活全般で他人にケガをさせたり物を壊した場合の賠償責任
借家人賠償責任保険賃貸住宅で火災や水漏れにより貸主への賠償責任を負った場合
施設賠償責任保険施設の管理不備や業務遂行中の事故で他人に損害を与えた場合

個人の日常生活においては、個人賠償責任保険が幅広い場面に対応できます。火災保険や自動車保険の特約として付帯でき、自転車事故のような高額賠償にも備えられます。ただし、業務中の事故や自動車事故による賠償など、対象外となる場面もあるため、補償範囲は契約内容を確認してください。

参考文献

  1. e-Gov法令検索 - 民法(明治二十九年法律第八十九号) - 民法709条(不法行為)および415条(債務不履行)の条文
  2. 日本損害保険協会 - 個人賠償責任保険 - 日常生活における損害賠償責任と個人賠償責任保険の解説
  3. 日本損害保険協会 - 損害保険Q&A 問92 賠償責任保険 - 賠償責任保険の種類と補償対象の説明
  4. 日本損害保険協会 - 賠償責任のリスク - 企業・施設の賠償責任リスクと保険の解説