基本用語(りすくまっぷ)

リスクマップとは

一言でいうと

企業が抱えるさまざまなリスクを、「発生確率(起こりやすさ)」と「影響度(起きたときの損害の大きさ)」の2つの軸で整理し、図上に配置して可視化する手法のこと。どのリスクを優先的に対策すべきかを判断しやすくなり、保険でカバーすべきリスクの検討にも役立ちます。

リスクマップとは

リスクマップとは、企業が抱える多様なリスクを、「発生確率(そのリスクが起こり得る可能性の高さ)」と「影響度(リスクが顕在化したときの損害の大きさ)」という2つの軸で整理し、図(マトリクス)の上に配置して見える化する手法のことです。リスクの全体像をひと目で把握できるため、リスク管理の基本的なツールとして広く使われています。

一般的には、縦軸に影響度、横軸に発生確率を取り、洗い出した各リスクをマップ上に配置します。これにより、どのリスクが「起こりやすく、かつ損害が大きい」のかが視覚的に分かり、対策の優先順位を判断しやすくなります。

発生確率と影響度による整理

リスクマップでは、各リスクを発生確率と影響度の組み合わせで分類します。

  • 発生確率が高く影響度も大きいリスク:最優先で対策すべき領域
  • 発生確率は低いが影響度が大きいリスク:保険などで備えることが有効な領域
  • 発生確率は高いが影響度は小さいリスク:日常的な業務改善で対応できる領域
  • 発生確率も影響度も小さいリスク:当面は受容(許容)できる領域

リスクマネジメントの指針を示すJIS Q 31000でも、リスクを洗い出し、発生確率と結果の大きさを見積もって優先度を決めるという流れが示されています。リスクをただ列挙するのではなく、優先度をつけて対応を考える点に意味があります。

保険検討との関係

リスクマップは、保険でどのリスクに備えるべきかを考えるうえでも役立ちます。とくに「発生確率は低いものの、起きてしまうと損害が非常に大きい」リスクは、自社の資金だけで対応するのが難しいため、保険による備えが適している領域とされています。

たとえば、火災やサイバー攻撃、賠償責任など、頻度は高くなくても一度発生すると経営に大きな影響を与えるリスクは、リスクマップ上で右上(影響度が大きい領域)に位置づけられることが多く、保険の活用が検討されます。リスクマップで全体を整理したうえで、対策の手段(リスクの低減・回避・移転・受容)を組み合わせて考えることが、効果的なリスク管理につながります。

参考文献

  1. 日本規格協会 - JIS Q 31000:2019 リスクマネジメント―指針 - リスク特定・分析・評価のプロセスの規格
  2. ALSOK - リスクマップとは?作り方から活用方法まで企業のリスク管理を解説 - リスクマップの作り方と活用方法の解説
  3. 日本損害保険協会 - 企業のための保険ナビ - 企業を取り巻くリスクと各種保険の紹介