基本用語(じゅうきびひん)

什器備品とは

一言でいうと

什器備品とは、事業活動で使用する設備・装置・機械・器具・工具・什器・備品の総称です。店舗の棚やテーブル、レジ、事務机など業務用の動産が該当し、住宅用の家財とは区別されます。企業向け火災保険では「設備・什器等」として建物や商品とは別に契約が必要です。

什器備品とは

什器備品とは、事業活動において使用される設備、装置、機械、器具、工具、什器または備品の総称です。建物内に収容される業務用の動産を指し、損害保険の分野では建物や商品・製品とは別の保険対象として分類されます。

国税庁の減価償却資産の区分では「器具及び備品」に該当し、事業に供される資産として耐用年数に応じた減価償却の対象となります。保険上は建物に含まれない事業用の動産として位置づけられており、火災や自然災害で損害を受けた場合、建物の保険だけでは補償されません。設備・什器等として別途保険をかける必要があります。

什器備品に該当するもの

什器備品に該当する物品は業種によって異なります。国税庁の耐用年数表では、事務机、事務椅子、キャビネット、応接セット、陳列棚、陳列ケース、冷暖房機器、電子計算機、複写機、看板、理容・美容機器などが器具及び備品として例示されています。

代表的な業種ごとの具体例は以下のとおりです。

業種什器備品の例
飲食店テーブル、椅子、食器棚、業務用冷蔵庫、調理器具、レジスター
小売店陳列棚、ショーケース、レジスター、商品管理端末
オフィス事務机、事務椅子、パソコン、プリンター、コピー機、書棚
美容室セット椅子、シャンプー台、ドライヤー、鏡台

什器備品に含まれないもの

以下のものは什器備品には該当しません。

  • 建物そのもの(壁、屋根、床など構造部分)
  • 建物に付属する電気・ガス・空調設備(建物の一部として扱われる場合)
  • 屋外に固着された設備装置(看板の基礎部分、門、塀など)
  • 自動車や船舶
  • 現金、有価証券、預貯金証書(別途の補償が必要)
  • 商品、製品、原材料(「商品・製品等」として別分類)

家財との違い

什器備品と家財は、どちらも動産(建物以外の財産)ですが、保険上の扱いが明確に異なります。

項目什器備品家財
用途事業用(業務目的で使用)生活用(日常生活で使用)
対象となる保険企業向け火災保険、店舗総合保険住宅向け火災保険(家財補償)
具体例業務用の机、棚、レジ、調理器具家庭用の家具、家電、衣類、寝具
所在場所店舗、事務所、工場など住宅(自宅)

住宅向けの火災保険では、業務の目的のみに使用されている設備・什器や商品・製品は補償の対象外です。つまり、住宅の火災保険に加入していても、事業用の什器備品は家財としては補償されません。

逆に、店舗や事務所の企業向け火災保険では、生活用の家財は補償の対象外です。店舗兼住宅の場合は、事業用の什器備品と生活用の家財をそれぞれ別の保険で補償する必要があります。

企業向け保険での什器備品の補償

企業向けの火災保険では、什器備品は「設備・什器等」という区分で補償されます。日本損害保険協会によると、企業の火災保険では保険の対象を「建物」「設備・什器等」「商品・製品等」「屋外設備装置」に分けて、それぞれについて保険金額を設定して契約します。

建物のみの契約では設備・什器等は補償の対象外となるため、什器備品の補償を希望する場合は別途保険金額を設定する必要があります。屋外にある設備・什器等については、屋内の物件とは別に「野積みの動産」として保険金額を設定して契約します。

補償される主なリスク

企業向け火災保険で什器備品に対して補償される主なリスクは以下のとおりです。

  • 火災、落雷、破裂・爆発
  • 風災、雹災、雪災
  • 水災
  • 水濡れ
  • 盗難
  • 電気的・機械的事故
  • 偶然な破損事故

ただし、地震・噴火・津波による損害は基本補償の対象外であり、補償を希望する場合は地震危険補償特約の付帯が必要です。

参考文献

  1. 日本損害保険協会 - 企業財産のリスク - 企業向け火災保険における設備・什器等の補償対象と保険の対象の区分
  2. 日本損害保険協会 - 損害保険Q&A すまいの保険 問50 - 建物と家財の区分、保険の対象の基本的な解説
  3. 国税庁 - 減価償却のあらまし - 減価償却資産としての器具備品の定義と耐用年数
  4. 損保ジャパン - 企業財産の保険 - 事業者向け火災保険における設備什器・商品等の補償