逸失利益とは
一言でいうと
本来であれば得られるはずだった利益のうち、事故や災害などの原因によって得られなくなった利益のこと。サイバー保険では、サイバー攻撃によるシステム停止で営業ができなくなった期間の売上損失などが該当し、利益補償特約で補償されます。
逸失利益とは
逸失利益(いっしつりえき)とは、事故、災害、不法行為などの原因がなければ本来得られるはずだった利益のことです。民法第416条では、債務不履行による損害賠償の範囲として「通常生ずべき損害」のほか「特別の事情によって生じた損害」を規定しており、逸失利益はこの損害の一部として認められます。
保険の分野では、火災やサイバー攻撃などによって営業活動が停止し、その間に失われた売上利益を指す概念として広く用いられています。
サイバー保険における逸失利益
サイバー攻撃によってシステムが停止すると、企業は通常の営業活動を行えなくなります。特にITに依存する度合いが高い企業(ECサイト運営、クラウドサービス提供など)では、システム停止がそのまま売上ゼロに直結します。
この営業停止中に失われる利益が「逸失利益」であり、サイバー保険の「利益補償特約」によって補償の対象となります。サイバー保険の基本補償は損害賠償責任と事故対応費用が中心ですが、利益補償はオプション(特約)として付帯する形が一般的です。
逸失利益の算定方法
逸失利益の算定は、サイバー攻撃がなければ得られていたはずの売上から、営業停止によって節約できた経費を差し引いて計算するのが基本的な考え方です。
具体的には以下のような要素が考慮されます。
- 過去の売上実績に基づく想定売上高
- 営業停止期間の長さ
- システム復旧の進捗に応じた営業再開の度合い
- 営業停止中に発生しなかった変動費
保険契約時には、自社の利益規模をもとに適切な保険金額を設定することが重要です。保険の専門家と相談しながら、実態に見合った金額を決定することが推奨されます。
火災保険における逸失利益
火災保険の分野でも、店舗や工場が火災で使用不能になった場合の営業損失を補償する「企業費用・利益総合保険」があります。考え方はサイバー保険と同様で、事故がなければ得られていたはずの営業利益と、営業を継続するために必要な経常費を補償するものです。
参考文献
- e-Gov法令検索 - 民法(明治二十九年法律第八十九号)第416条 - 損害賠償の範囲に関する規定
- 日本損害保険協会 - 損害保険Q&A - 損害保険全般に関する解説
- 金融庁 - 保険商品の比較・検討に役立つ情報 - 保険商品の選び方に関する情報
