インシデント対応とは
一言でいうと
サイバー攻撃や情報漏洩などのセキュリティ事故(インシデント)が発生した際に、被害の拡大防止から原因究明、復旧、再発防止までを行う一連の対応活動のこと。サイバー保険では付帯サービスとして、事故受付窓口や専門業者の紹介などのインシデント対応支援が提供されます。
インシデント対応とは
インシデント対応とは、サイバー攻撃、情報漏洩、不正アクセスなどのセキュリティインシデント(事故)が発生した際に、被害の拡大防止、原因の究明、システムの復旧、再発防止策の実施までを含む一連の対応活動のことです。英語では「インシデントレスポンス(Incident Response)」と呼ばれます。
経済産業省の「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」では、経営者がリーダーシップを発揮してインシデント対応体制を構築することが重要な指示事項として挙げられています。IPA(情報処理推進機構)の「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」でも、セキュリティ事故の発生時に備えた対応体制の整備が推奨されています。
インシデント対応の流れ
インシデント対応は一般的に以下のフェーズで進められます。
| フェーズ | 主な活動内容 |
|---|---|
| 検知・報告 | セキュリティ異常の検知、関係者への一次報告 |
| 初動対応 | ネットワーク切断、被害端末の隔離、証拠保全 |
| 原因調査 | フォレンジック調査による攻撃経路・被害範囲の特定 |
| 通知・報告 | 個人情報保護委員会への報告、被害者への通知 |
| 復旧 | システムの復元、業務の再開 |
| 再発防止 | 脆弱性の修正、セキュリティ体制の強化 |
2022年4月に改正個人情報保護法が施行され、個人情報の漏洩が発生した場合には個人情報保護委員会への報告と本人への通知が義務化されました。このため、インシデント対応の中で法的義務に基づく対応が不可欠となっています。
中小企業におけるインシデント対応の課題
中小企業がインシデント対応で直面する主な課題は以下のとおりです。
- 専任のセキュリティ担当者がいないため、事故発生時の対応手順が整備されていない
- フォレンジック調査会社や法律事務所との関係がなく、緊急時に専門家を確保できない
- 対応の経験がなく、初動の遅れや証拠の消失が起こりやすい
- 個人情報保護法の報告義務など、法的手続きの知識が不足している
サイバー保険との関係
サイバー保険には、インシデント対応を支援する付帯サービスが用意されています。事故発生時の受付窓口、初動対応のアドバイス、フォレンジック調査会社の紹介、法律専門家への相談、広報対応のアドバイスなど、中小企業が自力で整えることが難しい体制を保険のサービスとしてカバーしています。事故対応にかかる費用(調査費用、通知費用、超過人件費など)も保険の補償対象です。
参考文献
- IPA(情報処理推進機構) - 中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン - 中小企業向けセキュリティ対策の指針
- JPCERT/CC - インシデント対応へのフォレンジック手法の統合に関するガイド - インシデント対応におけるフォレンジックの役割
- 経済産業省 - サイバーセキュリティ経営ガイドライン - 経営層向けセキュリティ対策の指針
- NISC(内閣サイバーセキュリティセンター) - サイバーセキュリティ関連法令Q&A - セキュリティ関連法令の解説
