比例てん補とは
一言でいうと
保険金額が保険価額(評価額)を下回る一部保険の場合に、損害額に保険金額と保険価額の割合を掛けて保険金を支払う仕組みのことです。十分な金額で契約していないと、損害が出ても割合的に減らされた保険金しか受け取れません。火災保険などの損害保険でみられる支払い方式です。
比例てん補とは
比例てん補とは、保険金額が保険価額(保険の対象の評価額)を下回っている「一部保険」の状態のときに、損害額に「保険金額÷保険価額」の割合を掛けて保険金を計算する仕組みのことです。「比例填補」と書かれることもあります。
保険金額とは契約時に設定した補償の上限額、保険価額とは保険の対象の実際の価値のことです。この二つが一致していれば損害額がそのまま支払われますが、保険金額のほうが小さいと、損害が出ても割合に応じて減額された保険金しか受け取れません。
比例てん補の計算の考え方
比例てん補による保険金は、おおまかに次の式で計算されます。
- 支払われる保険金 = 損害額 × (保険金額 ÷ 保険価額)
たとえば、評価額(保険価額)4,000万円の建物に対して、3,000万円の保険金額で火災保険を契約しているとします。この場合、建物に対して4分の3(75%)しか保険をかけていない一部保険の状態です。ここで1,000万円の損害が発生すると、「1,000万円 × 75% = 750万円」となり、損害額の一部しか保険金が支払われません。
なお、契約内容によっては、保険金額が保険価額の一定割合(たとえば80%)以上であれば損害額がそのまま支払われる方式(実損払い)が採用されている場合もあります。どの方式が適用されるかは約款によって異なります。
比例てん補で不足が生じないために
比例てん補の仕組みがあるため、保険金額を低く設定しすぎると、いざというときに十分な保険金を受け取れない恐れがあります。建物の価値が上がっているのに契約時の金額のままにしている場合や、設定金額を意図的に抑えた場合などに、想定より少ない保険金しか出ないことがあります。
こうした不足を防ぐには、保険の対象の評価額に見合った保険金額で契約することが基本です。物価や建築費の変動によって評価額は変わるため、契約更新の際などに保険金額が適切かどうかを見直すとよいでしょう。設定金額に不安がある場合は、保険会社や代理店に確認することをおすすめします。
参考文献
- 日本損害保険協会 - 損害保険Q&A(保険金額と保険価額が異なる場合) - 一部保険・超過保険と保険金の関係
- 損保ジャパン - 比例てん補(よくあるご質問) - 比例てん補の用語解説
- 日本損害保険協会 - 損害保険Q&A(保険金の請求について) - 保険金請求の基本的な考え方
