保障・給付(ひらい・らっか・しょうとつ)

飛来・落下・衝突とは

一言でいうと

建物の外部から物体が飛んできたり、落ちてきたり、ぶつかってきたりして建物や家財に損害を与えること。火災保険の補償項目の一つで、車両の飛び込みや飛び石による窓ガラスの破損、建設現場からの落下物による損害などが補償対象です。風が原因の場合は風災補償が適用されるため、損害の原因によって補償区分が異なります。

飛来・落下・衝突とは

飛来・落下・衝突とは、建物の外部から物体が飛んできたり(飛来)、上方から落ちてきたり(落下)、ぶつかってきたり(衝突)して、建物や家財に損害を与えることです。火災保険では「建物外部からの物体の落下・飛来・衝突など」という名称で補償項目の一つに位置づけられています。

この補償のポイントは、損害の原因となる物体が「建物の外部から」やってくるという点です。建物の内側で起きた事故や、自分自身の過失で物を落として壊した場合は、この補償の対象にはなりません。

具体的な事例

飛来・落下・衝突の補償が適用される代表的なケースは以下のとおりです。

飛来の事例としては、近くのグラウンドから飛んできた野球ボールが窓ガラスを割った場合、走行中の車がはねた飛び石が外壁に当たった場合、いたずらで石を投げ込まれた場合などがあります。

落下の事例としては、建設現場から資材が落ちてきて屋根を損傷した場合、航空機からの落下物で建物に被害が出た場合、他人のドローンが墜落して屋根を破損させた場合などがあります。

衝突の事例としては、他人の自動車が敷地に飛び込んで外壁や塀を壊した場合、トラックが電柱に衝突し倒れた電柱が建物にぶつかった場合などが該当します。

火災保険における位置づけ

火災保険の補償項目は、「火災・落雷・破裂爆発」を基本として、風災・雹災・雪災、水災、盗難、水濡れなど複数のカテゴリに分かれています。飛来・落下・衝突はこれらと並ぶ補償項目の一つです。

保険商品によって位置づけは異なり、基本補償に含まれている商品と、補償プランの選択によって付帯するかどうかが決まる商品があります。契約時には、飛来・落下・衝突が補償範囲に含まれているかどうかを確認しましょう。

補償される範囲

飛来・落下・衝突で補償されるのは、保険の対象として契約している「建物」または「家財」に生じた損害です。

建物を保険の対象にしている場合は、外壁の損壊、窓ガラスの破損、屋根の穴あきなどが補償されます。家財を保険の対象にしている場合は、飛来物が窓を突き破って室内のテレビや家具を壊した場合などに保険金が支払われます。建物と家財の両方に備えるためには、それぞれを保険の対象として契約しておく必要があります。

風災との違い

飛来・落下・衝突と混同されやすいのが「風災」の補償です。両者の違いは、物体が飛んできた原因にあります。

補償項目損害の原因具体例
飛来・落下・衝突風以外の原因で外部から物体が到来車両の飛び込み、いたずらによる投石、建設現場からの落下物
風災台風、竜巻、暴風などの強風が原因台風で飛ばされた看板がぶつかった、強風で隣家の屋根瓦が飛んできた

強風で飛ばされた物体が建物に当たった場合は「風災」、風とは関係なく車両の飛び込みや投石で損害が生じた場合は「飛来・落下・衝突」として、それぞれ別の補償が適用されます。

破損・汚損との違い

もう一つ区別が必要なのが「破損・汚損(不測かつ突発的な事故)」の補償です。

飛来・落下・衝突は、建物の外部から物体がやってきて損害を与えるケースが対象です。これに対して、破損・汚損は日常生活のなかで偶然に起きた事故による損害を幅広くカバーする補償で、掃除中にぶつけて壁に穴を開けた、子どもが室内でボールを投げて窓を割ったなど、建物の内側で自分や家族の行為によって生じた損害が典型的な対象です。

外部からの飛来物が原因なのか、自分や家族の行為が原因なのかという点が判断の分かれ目になります。

補償されないケース

飛来・落下・衝突の名目であっても、以下のケースは補償の対象外です。

保険契約者や被保険者、またはその同居の親族による故意の行為で生じた損害は補償されません。また、雨・雪・雹・砂塵・粉塵・煤煙などの吹き込みや漏入による損害も対象外とされています。

経年劣化が原因で物体の衝突に耐えられず損壊した場合も、補償されない可能性があります。被害を受けた場合はすみやかに保険会社へ連絡しましょう。

参考文献

  1. 日本損害保険協会 - 損害保険Q&A すまいの保険 問51 - 火災保険の補償範囲と各補償項目の解説
  2. 損害保険ジャパン株式会社 - 建物外部からの物体の落下・飛来・衝突の補償 - 飛来・落下・衝突の定義と具体的な補償事例
  3. 日本損害保険協会 - 損害保険Q&A すまいの保険 問50 - 火災保険の基本的な補償内容と仕組み
  4. 損害保険料率算出機構 - 火災保険参考純率 - 火災保険の補償項目ごとのリスク区分と参考純率