基本用語(はざーどまっぷ)

ハザードマップとは

一言でいうと

自治体が作成する災害リスクの予測地図。洪水、土砂災害、津波、高潮などの浸水想定区域や危険箇所を地図上に示したもので、火災保険の水災補償の要否判断や、2024年から導入された水災料率の5段階区分の基礎資料として活用されています。国土交通省のハザードマップポータルサイトで全国の情報を確認できます。

ハザードマップとは

ハザードマップとは、自然災害による被害の範囲や程度を予測し、地図上に示した防災情報のことです。市区町村が水防法や土砂災害防止法などの法律に基づいて作成・公表しており、洪水や土砂災害などが発生した場合にどの地域でどの程度の被害が想定されるかを視覚的に確認できます。避難場所や避難経路の情報もあわせて記載されており、日頃の防災対策だけでなく、火災保険の水災補償を検討する際の判断材料としても活用されています。

ハザードマップの種類

ハザードマップには、想定する災害の種類に応じて複数の種類があります。

種類内容
洪水ハザードマップ河川が氾濫した場合の浸水想定区域と浸水深を表示
内水氾濫ハザードマップ下水道等の排水能力を超える降雨で市街地が冠水する区域を表示
土砂災害ハザードマップ土砂災害警戒区域や特別警戒区域を表示
津波ハザードマップ津波による浸水想定区域と浸水深を表示
高潮ハザードマップ台風等による高潮で浸水が想定される区域を表示

自治体によって公表しているハザードマップの種類は異なります。河川がない地域では洪水ハザードマップが作成されていない場合もありますが、内水氾濫は都市部を含むあらゆる地域で起こりうるため、複数の種類を確認することが大切です。

火災保険の水災補償との関係

ハザードマップは、火災保険で水災補償を付けるかどうかを判断する際の重要な資料です。自宅の所在地が洪水浸水想定区域や土砂災害警戒区域に含まれている場合は、水災補償の付帯を検討する必要があります。

一方、高台に立地している場合やマンションの高層階に居住している場合は、水災リスクが低いと判断して補償を外し、保険料を節約できるケースもあります。ただし、近年は短時間に集中する豪雨が増えており、ハザードマップ上で浸水想定区域に含まれていない地域でも内水氾濫が発生する事例が報告されています。ハザードマップの情報だけで安心せず、過去の浸水履歴や周辺の地形も含めて総合的に判断することが重要です。

2024年からの水災料率5段階制度

2024年度から、火災保険の水災料率が全国一律の設定から市区町村ごとの5段階(1等地から5等地)に細分化されました。この改定は損害保険料率算出機構が2023年6月に発表した参考純率の改定に基づくもので、ハザードマップなどから得られる水災リスク情報の充実を背景に実施されました。

1等地が最もリスクが低く水災保険料が安い区分で、5等地が最もリスクが高い区分です。5等地の水災保険料は1等地の約1.5倍となっています。この等地区分は洪水(外水氾濫)だけでなく、内水氾濫や土砂災害等のリスクも含めて評価されているため、一般に公表されている洪水ハザードマップの情報とは必ずしも一致しません。自分の住む地域が何等地に該当するかは、損害保険料率算出機構のウェブサイトにある「水災等地検索」で確認できます。

ハザードマップの確認方法

ハザードマップを確認する主な方法は以下のとおりです。

ハザードマップポータルサイト

国土交通省が運営する「ハザードマップポータルサイト」では、全国の災害リスク情報をまとめて確認できます。「重ねるハザードマップ」では洪水、内水氾濫、土砂災害、津波、高潮などの複数のリスク情報を一つの地図上に重ねて表示できます。「わがまちハザードマップ」では各市区町村が公表しているハザードマップへのリンクが掲載されています。

自治体の窓口やウェブサイト

各市区町村の防災担当部署の窓口やウェブサイトでも、地域のハザードマップを入手できます。紙媒体で配布している自治体もあるため、手元に保管しておくと災害時にインターネットが使えない状況でも確認できます。

注意点

  • ハザードマップは一定の想定条件に基づいて作成されているため、実際の災害がその想定を超える可能性があります。想定外の規模の豪雨や、複数の災害が同時に発生する複合災害では、ハザードマップに記載のない地域でも被害が生じることがあります
  • ハザードマップは定期的に更新されます。以前確認した情報が古くなっている可能性があるため、火災保険の契約更新時には最新版を改めて確認しましょう
  • ハザードマップに掲載されるリスク情報はすべての災害を網羅しているわけではありません。たとえば内水氾濫のハザードマップが未作成の自治体もあり、リスクがないことを意味するものではない点に留意が必要です

参考文献

  1. 日本損害保険協会 - ハザードマップを確認しよう - ハザードマップの活用方法と自然災害への備え
  2. 損害保険料率算出機構 - 水災等地検索 - 水災料率の5段階区分と等地検索の仕組み
  3. 内閣府 - 災害リスクの情報を入手しよう - ハザードマップの種類と災害リスク情報の入手方法
  4. 損害保険料率算出機構 - 火災保険参考純率 - 火災保険の料率算出と水災料率細分化の概要