保険の種類(はんざいほけん)

犯罪保険(クライムインシュアランス)とは

一言でいうと

従業員による横領や、第三者による詐欺・窃盗など、犯罪行為によって企業に生じた金銭や有価証券などの直接的な財産損害を補償する保険のこと。欧米ではクライムインシュアランス(Crime Insurance)として広く普及しています。サイバー犯罪も対象になり得る点で、サイバー保険と補償範囲が一部重なります。

犯罪保険(クライムインシュアランス)とは

犯罪保険(クライムインシュアランス、Crime Insurance)とは、横領・詐欺・背任・窃盗といった犯罪行為によって企業に生じた、金銭や有価証券などの財産の直接損害を補償する保険のことです。欧米企業では一般的に加入されている保険ですが、日本ではまだ広く普及しているとは言えません。

特徴は、補償の対象が「従業員による内部犯行」と「第三者による外部からの犯罪」の両方に及ぶ点です。役員賠償(D&O保険)や雇用慣行賠償(EPL保険)などとともに、企業の経済的損失を補償する「フィナンシャルライン」と呼ばれる保険カテゴリーに位置づけられています。

身元信用保険との違い

日本企業に比較的なじみのある「身元信用保険」は、従業員の内部犯行による損害を補償するものですが、補償の範囲は犯罪保険より限定的です。犯罪保険は、従業員の犯罪に加えて第三者による犯罪や、従業員と外部の共犯によるケースまでカバーする点で、より広い補償範囲を持つとされています。

近年は、なりすましメールによる不正送金など、サイバー手段を使った犯罪も増えており、こうした手口による金銭被害が犯罪保険で扱われる場合もあります。自社が想定するリスクに対して、どの保険でどこまで備えられるかを整理することが重要です。

サイバー保険との補償範囲の違い

犯罪保険とサイバー保険は、いずれも犯罪に関わる損害を扱う点で一部重なりますが、補償の主眼が異なります。

  • 犯罪保険:横領・詐欺・窃盗など、犯罪による「金銭・財産そのものの直接的な損失」を補償することが中心
  • サイバー保険:サイバー攻撃や情報漏えいに伴う「事故対応費用・損害賠償費用・利益損害」など、幅広い損害を補償

たとえば、サイバー手段を使った不正送金による金銭の喪失は犯罪保険の領域に近く、情報漏えいによる賠償や調査費用はサイバー保険の領域に近いといえます。どちらの保険でどのリスクをカバーするのか、補償が重複・欠落しないように、契約内容を確認したうえで組み合わせを検討することが大切です。

参考文献

  1. リスク対策.com - 経営リスクに関する各種保険 - クライム保険を含む企業向け保険の解説
  2. 日本損害保険協会 - 企業のための保険ナビ - 企業を取り巻くリスクと各種保険の紹介
  3. 日本損害保険協会 - サイバー保険 - サイバー保険の補償内容の解説